【レビュー】70年代、2人の男女の若さに酔いしれる―新たな青春映画の傑... CINEMA 2022.07.10 毘沙門天 華男 世界3大映画祭を制した天才映画監督ポール・トーマス・アンダーソン。 その最新作は、70年代LAを舞台とするド直球の青春物語だ。 そこらへんにあるただの青春映画ではない。 こんな映画……
【レビュー】内戦のソマリアから脱出を図った韓国と北朝鮮の大使館員たちの... CINEMA 2022.07.10 毘沙門天 華男 ソマリア内戦のことはニュースで知っていても、そこから韓国と北朝鮮の大使館員たちが協力して脱出しようとした史実について知っている人はこの日本にどれだけいるだろう。 1990年。ソウル……
【レビュー】世界を熱狂させ変えてしまった伝説的ミュージシャンの成功と影... CINEMA 2022.07.07 毘沙門天 華男 何故かもう梅雨も終わった。 夏が来た! 音楽フェスだ! みたいな気分の高揚のスタートを切る映画として、この映画なんかはどうだろう。 『ムーラン・ルージュ』で知られるバズ・ラーマン監……
【レビュー】台湾から凄まじい量の血飛沫が届けられた―『哭悲 THE S... CINEMA 2022.07.04 毘沙門天 華男 謎のウイルスに感染して多くの人間がゾンビのように凶暴になっていく。 そんな映画はこれまで何度も見る機会があったけど、この映画は血飛沫の量が段違いだ。 残虐な描写が圧倒的にエグい。 ……
【レビュー】一人の女性の一日に焦点を当てた味わい深い感動作―『あなたの... CINEMA 2022.07.04 毘沙門天 華男 韓国の名匠ホン・サンスの26本目となる新作は、85分と短めの尺にある女性のたった一日の何気ない出来事が詰め込まれた物語だ。 それでいて、物足りなさとは皆無の味わい深さと感動の余韻。……
【レビュー】一人の赤ちゃんをめぐる大人たちの様々な思惑―『ベイビー・ブ... CINEMA 2022.06.29 毘沙門天 華男 『そして父になる』で養子縁組問題を、『万引き家族』で疑似家族を描いた是枝裕和監督。 その最新作は、キャスト、スタッフ、舞台もオール韓国という初の韓国映画だ。 ある理由から赤ちゃんポ……
【レビュー】美しい島国でのリアルを切り取った感動作―『ルッツ 海に生き... CINEMA 2022.06.28 毘沙門天 華男 地中海の美しい島国マルタ共和国。 そこで制作された映画が日本で公開されるのは本作が初めてらしい。 自分はかなり前にマルタを訪れたことがあるが、何と言っても海が綺麗で、港町を含む街並……
【レビュー】映画館で大きな映画愛に包まれよう―『ストーリー・オブ・フィ... CINEMA 2022.06.21 毘沙門天 華男 まるで映画の美術館のような作品が公開中だ。 監督はスコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズ。 映画に魅了された彼は、今でも1日1〜2本を観ており、何とこれまで観た作品の……
【レビュー】アニメとドキュメンタリーの融合で描かれるアフガニスタン脱出... ANIMATION 2022.06.15 毘沙門天 華男 30代半ばの研究者である青年アミンには、恋人の男性にも話さずに20年以上も心に抱え続けた秘密があった。 それはアフガニスタンで生まれ育った彼が経験した壮絶な過去だった。 幼少期の彼……
【レビュー】恐ろしいほどのリアリティをもって描くディストピアについての... CINEMA 2022.06.10 毘沙門天 華男 メキシコからとんでもない映画がやってきた。 海外の映画祭でも賛否を呼んだこの問題作、観る人を選ぶというか、監督の言葉を借りれば、「観る人の覚悟」が確実に試される衝撃作だ。 映画は、……
【レビュー】歴史的冤罪事件において一人の男の無罪を訴え続けたある軍人の... CINEMA 2022.06.09 毘沙門天 華男 19世紀末のフランスを騒然とさせた歴史的な冤罪事件「ドレフュス事件」。 ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を漏洩したというスパイ容疑で終身刑を宣告され、仏領ギアナの悪……
【レビュー】80年代のレガシー的作品がさらなる進化を遂げて帰ってきた―... CINEMA 2022.05.31 毘沙門天 華男 アメリカ海軍に所属するパイロットの上位1パーセントだけが入ることのできる誇り高き養成所、トップガン。 晴れて入所を果たした主人公マーヴェリックの挑戦、挫折、成長と恋愛を描いたアクシ……
【レビュー】ロシア・ウクライナ戦争の背景事情としてのいくつもの日常の光... CINEMA 2022.05.30 毘沙門天 華男 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、今なお収束の目処は立っていない。 侵攻2日前にプーチン大統領が一方的にその独立を承認した「ドネツク人民共……
【レビュー】ボクシングの魔力に翻弄される人間たち―『生きててよかった』 CINEMA 2022.05.24 毘沙門天 華男 関わる人間の人生に栄光と喜びをもたらすこともあれば、大いにこれを狂わせることもある、それがボクシングだ。 名作『ロッキー』に代表されるような世界中の多くの映画がそんなボクシングの魔……
【レビュー】ある夜を境にそれまでの日常を完全に失った2人の男の物語―『... CINEMA 2022.05.20 毘沙門天 華男 この映画の監督は何とも人が悪い。 登場人物たちを焦燥と絶望の淵でさまよわせる物語の展開。 その出口の見えなさ加減は、本当に自分は観客で良かった、とさえ思ってしまうほどだ。 もちろん……
【レビュー】ひとりの在日クルド人少女が大切にする日常と想い―『マイスモ... CINEMA 2022.05.19 毘沙門天 華男 司法制度に切り裂かれる家族を描いた作品としては、今年2月に公開されたアメリカ映画『ブルー・バイユー』のエモーショナルな感動もまぶたに残るが、同じ感動作でも本作は一人の女子高生の普通……