【レビュー】遂に終結した42年間に亙るサーガ――『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』




『新たなる希望』の公開から42年――『スター・ウォーズ』シリーズが遂に終結した。

最終エピソード『スカイウォーカーの夜明け』の監督は、『フォースの覚醒』のJ・J・エイブラムスが再登板。

何せ、世界中で熱狂的に支持され、映画を超えた現象である『スター・ウォーズ』の完結編だ。今作に課せられた重圧は半端ではない。

「旧三部作」「新三部作」「続三部作」という3つのシリーズにおいていくつもの愛すべきキャラクターを生み出し、一貫した世界観があり、何世代にも亙る膨大なファンが納得するファイナルである必要がある。

そして、エイブラムス自らがメガホンを取った『フォースの覚醒』で蒔いた新しい種を回収しなくてはならない。

さらに、複数の降板劇からも見えてきた「ディズニー映画」として求められている多くの要素をクリアするタスクもある。

それらすべてを1作で満足に達成するのは不可能と言ってもいいわけで、しかもこれらのタスクを一切無視して、何かエクストリームなものを生み出すアプローチも許されないのが、『スター・ウォーズ』のエピソード9なのだ。

結果『スカイウォーカーの夜明け』は、時には強引さも見せつつ、とにかくスピーディーに物語が進む。

あれもこれも要素を詰め込みつつ、新作映画としての新たなトピックも律儀にまじえ、徹底的にエネルギーを注ぎこんで真剣に『スター・ウォーズ』を終わらせた作品に思えた。

数々の刺激と興奮に溢れたエンタテインメント映画である。

とにかく今は、勇気と希望と好奇心と冒険心を与え続けてくれた『スター・ウォーズ』へ感謝の気持ちを伝えたい。

 

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』

■監督: J・J・エイブラムス
■脚本:J・J・エイブラムス、クリス・テリオ
■出演者:キャリー・フィッシャー、マーク・ハミル、ハリソン・フォード、アダム・ドライバー 他
■配給:ディズニー

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小松 香里
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