沖縄出身で連続テレビ小説「ちむどんどん」(22、NHK)、大河ドラマ「光る君へ」(24、NHK)、ミュージカルなど幅広く活躍中の松田るかが、照屋年之監督(お笑いコンビ「ガレッジセール」・ゴリ)の最新作『かなさんどー』に主演した。沖縄県・伊江島を舞台に、監督独自の死生観と笑いを交えて描く“家族の愛と許しの物語”。松田に話を聞いた。
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ーー家族の愛と許しの物語を描く本作、先行公開の沖縄では大ヒットしているそうですね。
映画を観終わった後、ご家族や友だちなど近しいどなたかが思い浮かぶ方がいらっしゃると思うんです。普段直接愛を伝えることもなかなかないと思うので、この映画が直接伝えるきっかけになれればいいなと思います。
あとは、わたしが演じた美花はお父さんのことを知った気になっていたけれど、両親がどういう気持ちで結ばれたのかなどは日記を見るまでは分からなかった。人間を知り尽くすことは不可能だとも思いました。
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ーー照屋監督は独創的な作品を毎回生み出されますが、撮影はどのように行われていましたか。
照屋組は、とてもテンポよく撮影が進行する現場です。そのおかげで「泣きがほしい」「このシーンは深くやりたい、時間をかけたい」となった時に、しっかりと時間を当てることが出来るんです。いつも同じ照屋組のスタッフさんたちなので、とてもメリハリが効いている撮影現場でした。
あと照屋監督は芸人のゴリさんとして表に出る側でもあるので、出役の気持ちがよく分かっていらっしゃると思うんです。その気持ちや気遣いがとてもよく伝わって来たことと、迷ったら台本に戻り、みんなで一緒に前を向いて進んでいく。作品ファーストの撮影現場でもあるなと思いました。
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ーー『かなさんどー』はご出身である沖縄を舞台にした映画ですが、そのことについて想うことはありますか。
わたし自身、沖縄出身だからこその恩恵を受けていますし、監督のゴリさんたちが頑張ってくれたからこそバラエティ番組の沖縄ロケも増えましたし、「うちなんちゅ」であることの恩恵は受けているんです。でもまだ恩返しは出来ていないので、これからですかね。沖縄が舞台の作品には出たいなと思っているので、機会があれば積極的に出ているんですが、ゴリさんみたいに大きなことまだ出来ていないので、いずれ恩返し出来ればと。
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ーー『かなさんどー』の出演を経て、俳優としてよかったことは。
大きく意識が変わったなと思うことは、映画がとても楽しいということですかね。最近はスケジュールが短い現場が多かったりするのですが、先ほども言いましたが照屋組はテンポよく撮影を進めるので、大事なシーンに時間がかけられたんです。「素敵な画が撮れるなら、僕らはいつまでも待ちます。それって大事なことじゃないですか」と照屋監督が言うんです。
なので、わたしはちゃんと美花としてそこにいて、美花として過去のことを思い出せたので美花として泣けた、感情を出せたんですよね。なので、それはとてもいいなと思いました。映画って楽しいなって思いました。みんなで作品を作るって、こういうことだよなって。
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ーー今年は20代ラストイヤーですが、仕事や人生など想いを新たにすることはあるでしょうか。
普段からあんまり数字にこだわりはなくて、30歳になったらこれを始めよう、あれを直さなくちゃということはないんです。ただ、世間的には節目と見られますし、いただく役も変わっていくはずです。また、仕事をする上で一番難しい時期だと思うんです。30歳は新人OLや社員の役が難しいですし、かといってママや上司役にもまだ若い。それは乗り越えていかないといけない時期だろうなという覚悟でいます。
あとは勉強など知識欲があるタイプなので、知的好奇心が常にわき続けて俳優という仕事には役に立っているなと思います。好きな仕事とやりたい仕事は自分では決められないと思うのですが、今のところとても楽しくさせていただいています。今回『かなさんどー』で真ん中に立たせていただきましたが、まだまだ頑張りたいと思っています!
(C) 「かなさんどー」製作委員会