【レビュー】“みんな違ってみんないい”珠玉の青春映画、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』




高校生活で勉強ばかりしていたモリーとエイミーという親友同士は、その甲斐あって志望の進路を勝ち取り、意気揚々と輝かしい将来への希望に胸を膨らましているのだが……卒業式の前日になって、ふたりの目には連日パーティーやらで遊びまくっていたように見えていた同級生たちも、ちゃっかりハイレベルな進路に進むことを知る。

一転して、これまで一切経験してこなかったキラキラした“青春”を味わおうと、スマホやSNSといったあらゆるツールを駆使して同級生たちが参加する卒業パーティーに乗り込もうとするのだが──。

モリーを演じるジョナ・ヒルの妹でもあるビーニー・フェルドスタインとエイミーを演じるケイリトン・デヴァーという主役のふたりに加えて、登場する高校生役の役者陣がとにかく魅力的。

性別も家庭環境もキャラクターも関係なく、“みんな違ってみんないい”ティーンたちが輝く珠玉の青春映画だ。

監督は本作品が長編デビュー作となる女優オリヴィア・ワイルド

高校生活の最中はずっと距離があったとしても、卒業間近になってようやくちゃんと喋ってみてお互いの魅力を知り、「もっと話せば良かった!」と確認したり、とにかく瑞々しくて甘酸っぱいシーンが満載

卒業前の時期というと、大抵の子とは次いつ会えるかわからないというセンチメンタルが高まりつつ、でもだからこそ、ちょっとしたこれまでため込んでいた感情が溢れてぶつかり合ったりもする。

思春期ゆえに色々あったけど、みんなで笑顔で卒業を迎えられるって最高!という素直な気持ちでいっぱいに。

パーティー中、アラニス・モリセットの「You Oughta Know」をカラオケで熱唱するシーンも良いし、RHYEもアンダーソン・パークもPerfume Geniusもソルト・ン・ぺパーもLCDサウンドシステムもジャストなタイミングでかかって、情景を素敵に高めている。

 

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』 あらすじ

明日は卒業式。親友同士のモリーとエイミーは、高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。ところが、パーティー三昧だった同級生たちも同じくらいハイレベルな進路を歩むこと知り驚愕。2人は失った時間を取り戻すべく、卒業パーティーに乗り込むことを決意する。

■監督:オリヴィア・ワイルド
■製作総指揮:ウィル・フェレル、アダム・マッケイ
■出演:ケイトリン・デヴァー、ビーニー・フェルドスタイン、ジェシカ・ウィリアムズ、リサ・クドロー 他
■配給:ロングライド

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小松 香里
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