池松壮亮「この物語の世界に加担しませんでした」 映画『よこがお』公開記念舞台挨拶で語る

池松壮亮「この物語の世界に加担しませんでした」 映画『よこがお』公開記念舞台挨拶で語る




本日27日に東京・テアトル新宿にて、映画『よこがお』の公開記念舞台挨拶が行われ、出演者の主演・筒井真理子をはじめ、市川実日子、池松壮亮、吹越満、監督の深田晃司が登壇した。

本作は、ある事件がきっかけで、「無実の加害者」に仕立てあげられ、築き上げた幸せをすべて奪われた女・市子。やがて彼女は、”リサ”という新たな名前で、人生を取り戻すために哀しくも危険な復讐に出る、極上のヒューマン・サスペンスである。

鑑賞を終えた観客を前にして筒井は、「この映画はとても不思議な映画だと思っています。出来るなら喫茶店に行って皆さん一人一人の感想を聞いてみたいなと思っています。」と話した。深田監督は「映画というのは、監督がすべて理解していると思われがちですが、そうでないと思っています。親と子の関係に似ていて、親が子供のすべてを知っているかと言われたらそうでなく、周りの人の評判を聞いて”こんな一面もあるんだ”と気づかされる。映画にもそういった近いところがある。」と作品に触れてくれた人々の反応を楽しみにしているという。

トークイベントで、演じる上で意識していたことを聞かれた市川は、「(基子は)動物っぽいところがあって、理屈じゃなく、何も考えないことにした。」と͡͡͡コメント。一方池松は、「監督は無自覚と無意識を抽出する方なので、誤解を恐れずにいうと、この物語の世界に加担しないことが一番加担できるんじゃないかと考えて演じていた。」と普段と違う役作りを意識したことを話した。

今朝5時まで飲んでいて少し酔っぱらっているかもしれないという吹越は、本作のタイトルについて「誰かの事を知ろうと思うと、正面から話さなきゃいけないと思うんです。横顔だけではその人の全部というか、抱えているものが見えてこない。だからこのタイトルなのかなと。」と語るとさらに、「これ、酔っぱらってる人とは思えない意見でしょ!」と自画自賛。すると、会場からは笑いが巻き起こった。

そして、本作が第72回ロカルノ国際映画祭 国際コンペティション部門に正式に出品する事が決定。それを聞いた会場からは割れんばかりの拍手が贈られた。これを受け深田監督は、「ずっと憧れていた映画祭で、同世代の監督たちも大勢行っている。早くそこに自分も入りたいという思いもあった、なので本当に嬉しい!」と喜びを爆発させた。

最後に筒井は、「この映画がどのように育っていくか日々楽しみにしています。ぜひ皆さんのご感想をお待ちしています!」と述べ、会場を後にした。

公式サイト : http://yokogao-movie.jp


映画『よこがお』 あらすじ

リサと名乗るその女は、和道の前に突然現れた。美容師と客として、リサと接していた和道だったが、やがて彼女の不思議な魅力に惹かれていく。リサの本当の名前は市子。かつては優秀な訪問看護師だった。基子という訪問先の娘で、市子に憧れ以上の感情を頂く者もいた。ところがある日、基子の妹サキが失踪する。事件への関与を疑われた市子は、ねじまげられた真実により、築き上げた幸せのすべてを失う。市子は、“リサ”となって、ある危険な復讐を計画するのだが・・・

■出演:筒井真理子/市川実日子 池松壮亮/須藤蓮 小川未祐/吹越満
■脚本・監督:深田晃司
■配給:KADOKAWA 【2019/111分/カラー/日本=フランス/5.1ch/ヨーロピアンビスタ】
※角川シネマ有楽町、テアトル新宿ほか全国で上映中


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