【レビュー】水の精霊ウンディーネが背負う哀しき宿命―『水を抱く女』 CINEMA 2021.04.06 毘沙門天 華男 水を抱く女 四大精霊の一つ、水を司る精霊、ウンディーネ。 古くはアンデルセン童話『人魚姫』のモチーフにもなった水の精だ。 ウンディーネは人間の男性と結婚すると魂を得るが、同時に3つ……
【レビュー】世界一過酷な格闘技”ラウェイ”に迷い込んだ(迷い出た)男た... CINEMA 2021.04.05 毘沙門天 華男 「地球上で最も危険な格闘技」と称される格闘技がある。 ミャンマーで古代から伝統的に受け継がれてきた国技”ラウェイ”だ。 拳にはグローブではなくバンテージのみを巻き、寝技を除く関節技……
【レビュー】信じる心の力を描く感動のディズニー・アニメーション最新作―... CINEMA 2021.04.04 毘沙門天 華男 『アナと雪の女王』『モアナと伝説の海』以来のディズニー・アニメーション最新作は確かなテーマに支えられた感動作だ。 かつてはたくさんの美しい龍と人々が共生していた王国クマンドラは、魔……
【レビュー】被害者が「加害者」とともに旅をして語らうドキュメンタリー―... CINEMA 2021.03.26 毘沙門天 華男 被害者と「加害者」が対話をするロードムービー風のドキュメンタリー。 前代未聞の設定の映画が注目を浴びている。 オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしたのが1995年。 この映画の監……
【レビュー】悲哀を胸に自由を生きる現代の流浪の民たち―『ノマドランド』 CINEMA 2021.03.26 毘沙門天 華男 「ノマド」 最近日本でもよく耳にする言葉だが「時間と場所にとらわれずに働くワークスタイル」といった意味で使われる場面が多いようだ。 もっともこれは近年派生的に使われるようになった意……
【レビュー】家族像というものを再考察したくなるほどの感動の余韻―『ミナ... CINEMA 2021.03.18 毘沙門天 華男 ある韓国人家族の物語。 リアリティのある感動という意味では、世間を賑わせた『パラサイト 半地下の家族』を超えるものがある。 舞台は1980年台のアメリカ、家族がアメリカ南部のアーカ……
【レビュー】圧倒的多数のタリバン兵に囲まれた前哨基地で生き残れるのかー... CINEMA 2021.03.15 毘沙門天 華男 アウトポスト(óutpòst)《軍事》前哨基地[部隊] 戦争における前哨基地とは防衛・補給等の等の目的のために最小限度の規模で設置される前線の基地を意味する。 この映画は、ある1つ……
【レビュー】長い時を経ても失われない敬意と、長い時を遡る想像力―『ラス... CINEMA 2021.03.04 毘沙門天 華男 30年もの長い時を経て熟成された感動的な実話が映画化された。 ベトナム戦争で自らの命を投げ打って多くの負傷兵を救った空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガー。 彼に命を救われた兵士によ……
【レビュー】ISに監禁された青年の壮絶な経験と家族の奮闘の実話―『ある... CINEMA 2021.03.03 毘沙門天 華男 ISに人質として監禁されたデンマーク人写真家ダニエル・リュー。 彼が経験した実話の映画化は壮絶な内容だ。 彼は2013年に誘拐され、その監禁期間は398日間にも及んだ。 映画は徹底……
【レビュー】門脇麦×水原希子 交わるはずのなかった2人が求めた自分らし... CINEMA 2021.03.02 毘沙門天 華男 見終わった後に誰かと話し込みたくなるような、たくさんの共感に満ちている。 特に都会暮らしをしていて婚期というものを迎えたくらいの人たちにとっては他人事とは思えないかもしれない。 か……
【レビュー】その絵は果たしてレンブラント本人が描いたものなのか―『レン... CINEMA 2021.02.26 毘沙門天 華男 「光の影の魔術師」、レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン。 世界中に広くその名が知れ渡る、バロック絵画を代表するオランダの巨匠だ。 レンブラントが描いた絵画で現存するものは……
【レビュー】変化を乗り越えていく大河の流れと市井の人の営み―『春江水暖... CINEMA 2021.02.25 毘沙門天 華男 わずか30歳の監督の長編デビュー作が2020年のカンヌ国際映画祭批評家週間クロージング作品に選出され、世界の映画ファンを驚かせた。 それは、監督自身の故郷である中国は杭州の富陽を舞……
【レビュー】刑務所から出所した男を待ち構える外の世界〜役所広司の新たな... CINEMA 2021.02.22 毘沙門天 華男 『ゆれる』『ディア・ドクター』など、これまでオリジナル作品で高い評価を受けてきた西川美和監督。 その西川監督が初めてオリジナルから離れて原作小説に基づき制作した作品が今公開されてい……
【レビュー】不寛容な時代に生まれた全く新しいヤクザ映画の傑作―『ヤクザ... CINEMA 2021.02.14 毘沙門天 華男 現代ヤクザ映画の終着駅のような作品だ。 今後このジャンルを撮ることが難しくなるような予感すら感じさせる。 ヤクザが持つ不器用かつ恐ろしいほどの義理や人情を描くことも決して忘れていな……
【レビュー】ポップカルチャーで結びつき資本主義に翻弄される2人―菅田将... CINEMA 2021.02.11 毘沙門天 華男 「好きな人と好きなことだけして生きていきたい」 誰しもそんなふうに思ったことが一度はあるのでは? 「好きなモノがこんなにも互いにぴったり合うなんて」 趣味嗜好が共通するそんな相手と……
【レビュー】そこは上下に広がる恐怖の閉鎖空間、珠玉のシチュエーションス... CINEMA 2021.02.09 毘沙門天 華男 懐かしくは名作『QUBE』などにも連なる、不条理な閉鎖空間を舞台としたシチュエーションスリラーが公開中だ。 その空間は前後左右には広がらない。ひたすらに上下に、縦方向に広がり続ける……