【レビュー】2人の母と1つの命ー『朝が来る』 CINEMA 2020.10.29 毘沙門天 華男 今や国内外問わず高い評価を受ける、河瀬直美監督の最新作は辻村深月の小説の映画化。 不妊の問題から特別養子縁組の制度を利用して生まれたばかりの子供を迎え入れた夫婦に井浦新と永作博美。……
【レビュー】一人の女を救った夜、その先に続くのは地獄か?それとも?―『... CINEMA 2020.10.14 毘沙門天 華男 『ほとりの朔子』『淵に立つ』『よこがお』など日本だけでなく海外の映画賞にも輝き、国内外でますます注目度を高める深田晃司監督。 齢40歳とまだまだ今後も楽しみな監督の新作は、何と名古……
【レビュー】夜のトランスジェンダーと孤独な少女、2つの魂が求め合う時―... CINEMA 2020.10.07 毘沙門天 華男 ため息が出るほど切なく美しい映画の仲間に、また新しい1本が加わった。 かねてより憑依型俳優としての評価も高い草彅剛。 本作では草彅剛という存在自体を悠々と超えて、トランスジェンダー……
【レビュー】秘めた想いと友情の間で揺れ動く、美しき青年たち―『マティア... CINEMA 2020.09.28 毘沙門天 華男 カナダで子役として人気を博していたグザヴィエ・ドランが初映画監督作を撮ったのが19歳、その後23歳に『わたしはロランス』で世界中を虜にし、25歳では『Mommy/マミー』でカンヌ審……
ゴツいおじさんの無邪気な偏愛が一線を超える―ジョン・トラボルタの怪演『... CINEMA 2020.09.10 毘沙門天 華男 ジョン・トラボルタが冴えない映画オタクに!? 『サタデー・ナイト・フィーバー』で一世を風靡し、『パルプ・フィクション』の憎めないギャング役で映画界に見事に返り咲いたジョン・トラボル……
【レビュー】若かりし巨匠の苦悩と葛藤の果てに名曲が産声をあげる―『剣の... CINEMA 2020.08.11 毘沙門天 華男 クラシックの名曲「剣の舞」――この曲名にピンとこない人ですら、日本では例えば運動会などでは誰しも聴いたことのあるテンポの早い有名な曲だ。 本作は旧ソ連の巨匠アラム・ハチャトリアンが……
【レビュー】聖職者による性被害を白日のもとに晒すノンフィクションー『グ... CINEMA 2020.08.05 毘沙門天 華男 フランスで実際に起きたカトリック教会の神父による児童性的虐待事件。 まだ無垢な少年たちが、ボーイスカウトのキャンプ等で本来は指導者であるべき聖職者の性欲の餌食になるという驚くべき事……
【レビュー】大物ヤクザ×暴力警官×連続殺人鬼の三つ巴のバイオレンスー『... CINEMA 2020.08.03 毘沙門天 華男 見知らぬ男にいきなり刃物でめった刺しにされたヤクザの親分。 犯人の男は、気性の激しいはみ出し者の刑事が追う連続殺人鬼だった・・・。 『THE GANGSTER THE COP TH……
【レビュー】若さの功罪を包み込む圧倒的な音楽と光の渦―『WAVES/ウ... CINEMA 2020.07.30 毘沙門天 華男 今の自分の開放的な気分、八方塞がりで悲嘆に暮れるしかない状況、何かに激しくぶつけたい衝動、そんな人生の随所随所での心の動きを「音楽」に託し、重ね、あるいは救われた経験は誰しも一度く……
【レビュー】都会の空模様と恋人たちの心模様、ウディ・アレン監督の原点回... CINEMA 2020.07.28 毘沙門天 華男 過去の行状が大きく問題視されてるウディ・アレン監督だが、少なくとも、最新作の映画もおかしくなってしまった、ということにはならなかったようだ。 ニューヨーク、ジャズ、セレブ、皮肉まじ……
【レビュー】師イップ・マン、ついに海を渡り愛弟子ブルース・リーと再会―... CINEMA 2020.07.21 毘沙門天 華男 かのブルース・リーの師匠にして“詠春拳”の最強の使い手、イップ・マンの活躍を描いた待望のシリーズ第4作――完結編が満を持して公開された。 過去3作で、池内博之演じる日本……
【レビュー】古き良き70年代は、石橋蓮司たちが連れてくる―『一度も撃っ... CINEMA 2020.07.20 毘沙門天 華男 阪本順治監督の最新作は、石橋蓮司、桃井かおり、岸部一徳、大楠道代といった名役者たちによる小気味の良いハードボイルド喜劇。 石橋蓮司演じる主人公の表の顔は、妻には大きく出れないが担当……
【レビュー】生々しい吐息がかかるほどの近さで目撃するシリアルキラーの殺... CINEMA 2020.07.17 毘沙門天 華男 気持ち悪いモノを見たがる人間の心理を何と呼べばいいのか。 気味が悪い経験をどこかで好んでしまう人間の特性は何に由来するのか。 ジャンルに制限のない映画という表現手法がそのテーマに据……
【レビュー】抑圧された性の解放と究極的な自己肯定―『タッチミーノット~... CINEMA 2020.07.16 毘沙門天 華男 ルーマニア出身の新人監督アディナ・ピンティリエの初監督作が、ベルリン映画祭で最高賞と最優秀新人賞の2冠に輝いた。 ダイバーシティという概念が過去に比して急速に共有され始めた今日、自……
【レビュー】夢と現実、その狭間で揺れながらも彼女は自らの真実を歌い上げ... CINEMA 2020.07.13 毘沙門天 華男 舞台はイギリス、グラスゴー。 刑務所を出所して帰宅したシングルマザー、ローズは1年ぶりに母と2人の子供に会う。 ローズには歌の才能があり、カントリー歌手として大成することを夢見てい……
【レビュー】心に去来する過ぎ去りし日の想い、巨匠ペドロ・アルモドバルの... CINEMA 2020.07.09 毘沙門天 華男 『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥー・ハー』などの名作で世界的にその名を知られるペドロ・アルモドバル監督。 70歳になるスペインの巨匠の最新作は、自身の生い立ちを振り……