【レビュー】あの新しきエンタメホラーが帰ってきた。『IT/イット THE END “それ”が見えたら、おわり。』。

IT/イット THE END “それ”が見えたら、おわり。




原作はスティーブン・キング、新しきエンタメホラー映画として世界中で大ヒットした『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』から約2年、続編であり、完結編となる『IT/イット THE END “それ”が見えたら、おわり。』。

前作は、落ちこぼれの少年たち7人=ルーザーズ・クラブを軸にした青春群像劇としての魅力も多く、『スタンド・バイ・ミー』のホラー版とも称されたが、今回はそこから27年後の設定だ。

社会人となったルーザーズ・クラブの7人が、再び地元の小さな田舎町で“IT”と戦うこととなる。

優れたホラー映画シリーズは、必ず何某かの恐怖のシンボルとスタイルが存在するわけだが、「IT」シリーズの場合、“IT”は見る者が恐怖するものに自在に姿を変えながら、貼り付いたような笑顔を浮かべるピエロの姿が基本形となっている。

前作では、ペニーワイズ(ピエロ)は大人には見えずに、虚飾や欺瞞に満ちた大人への恐怖が、“IT”をピエロに変貌させていた。

そして、今作での“IT”は、前作以上にその貼り付いた笑顔を全面に出しつつ、手を変え品を変え、大人になったルーザーズ・クラブに襲いかかる。よってルーザーズ・クラブの面々は、より根源的に、大人から受けた傷=トラウマと対峙することとなる。

前作以上にホラーでコミカルでエンタメ。上映時間も増えて169分間。

絶叫マシンで山場が終わってほっとしていると、それまで以上のスリルが畳み掛けるように襲ってきて、気づけば終わっているあの感じ。

そのホラーの質は、前作同様、湿度無しで非常に痛快。4Dは一層アミューズメント度が高そうだ。

 

『IT/イット THE END “それ”が見えたら、おわり。』 あらすじ

子供が消える町に、“それ”は現れる――。「COME HOME COME HOME(帰っておいで…)」という“それ”からの不穏なメッセージが届き、幼少時代に“それ”の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った<約束>を果たすために町に戻ることを決意。“それ”にまつわるすべての謎を解く、最後の闘いが始まる。

■監督:アンディ・ムスキエティ

■原作:スティーヴン・キング

■出演:ビル・スカルスガルド、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、ビル・ヘイダーほか

■配給:ワーナー・ブラザース映画

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