【インタビュー】柳楽優弥、有村架純が語る俳優という仕事 「僕はいつも前向きな気持ち」「わたしはシンプルにお芝居が好き」




俳優の柳楽優弥、有村架純、三浦春馬が共演した『映画 太陽の子』が全国公開となった。本作は、太平洋戦争末期に存在したという「F研究」と呼ばれる“日本の原爆研究”という事実をベースに、過酷な時代と運命に翻弄されながらも、全力で駆け抜けた若者たちの姿を描く青春物語だ。軍の密命を受け、原子核爆弾の研究開発をする科学者・石村修役の柳楽、修の幼馴染の朝倉世津役の有村に話を聞いた。

 

― 時代背景をはじめ、専門的な知識も必要そうな題材だったと思いますが、どういうことに気をつけて撮影されましたか?

柳楽:この映画はひとつの決まったメッセージを投げかけるのではなく、映画を観た方自身がいろいろと考えられる作品になっていると思うので、ここで描いていることについて自分の考え方を持てる気がしています。ぜひ若い方にも観てほしいです。

有村:戦時下という厳しい環境を生きている女性だったので、どう感じて生きているのかの葛藤なども考えながら役作りをしました。飲む込み気持ちはたくさんあっただろうなと思いましたが、3人だからこそ気持ちを言い合える関係だったと思います。

― 修と世津という役柄をとおして、何か気づいたことや得たものはありますか?

柳楽:この作品は戦争のことだけじゃなくて、その当時に懸命に生きていた若者たち、その家族のつながりまでも丁寧に描いているので、力強く生きることを改めて学びました。それは、今の時代にも通じるところがあると思いました。

有村:科学者が研究や探究をする時のロマンだけでなく、葛藤も学びました。ロマンもあるけれど、自分たちがなすことで世界が凄まじいことになってしまうかもしれないと。そういう覚悟の元、日々研究がされているのだということを学びました。

― そういう学びを観客のみなさんだけでなく、自分自身も得られる俳優というお仕事についてはいかがですか?

有村:自分自身のことを俳優ですと言いにくいのですが、でも、わたしはシンプルにお芝居が好きで、その気持ちがいろいろな人と出会わせてくれて誰かの心に残る作品を世に送り出せたり、そういういい連鎖を生んでくれているなと感じることはあります。

柳楽:こういうテーマの作品ということもあるのですが、映画の公開がだんだん近づいてくるにつれて、お客さんの元にお届けする感覚になるので、そこで初めて頑張ってよかったなと、僕はいつも前向きな気持ちになっています。

― おふたりは過去に共演歴もあると思いますが、今回改めて気づいたお互いの印象はいかがでしょうか?

柳楽:有村さんにはもちろんすごいところがたくさんあると思いますし、大きなステージでしっかり結果を残してきた人だからあふれ出る人間性など、スペシャルだなと感じることが多いです。なかなか真似してもできないことですし、そこに経験値があり心強さも感じるし、本当に素敵な人だなと感じました。

有村:柳楽さんにはお会いするたびに驚くというか、本番を待っている間も芝居に向かう雰囲気をまとっていらっしゃる方なんです。作品ごとに自然と何かが出る方でもあり、出そうと意識しなくても吸引力が本当にすごいなと思いました。役も作品も自分の重力によって引き寄せてしまう、核のある人だなと思います。

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