【体験レポート】点と線と音で構成された作品たち――目と耳に優しく楽しいジュリアン・オピー11年ぶりの個展

【体験レポート】点と線と音で構成された作品たち――目と耳に優しく楽しいジュリアン・オピー11年ぶりの個展




ジュリアン・オピーというと、2000年にリリースされたブラーのベスト盤『Blur:The Best Of』のジャケットが思い浮かぶ人も少なくないだろう。

80年代以降のイギリスを代表する現代美術家であるオピーの作品は、そのシンプルで普遍的、かつ人懐っこさを感じさせる作風故に、パブリックアートとしても人気で、高松や成田にある他、東京だと電通本社ビルにLEDに歩行者が映る作品が展示され、来訪者にちょっとした潤いを与えていたりする。

日本の美術館では11年ぶりの個展となる東京オペラシティ アートギャラリーでの展覧会。

まず会場に入ると、高さ6メートルほどの作品「Walking in New York 1」と「Walking in Boston 3」の大きさとポップさに目を奪われる。

そこに描かれた人物の服装や髪形や持ち物や姿勢から、会社もしくは学校の行き帰り、ショッピング、散歩……という風に、その人となり、生活ぶりを想像できるのが楽しい。

他にも、アニメーションを4面LEDスクリーンに映した作品や、ブロンズでできた彫刻作品があったり、その素材は様々。平面作品と立体作品、両方がバランス良く配置されている。

中には、廊下の端から端、24メートルほどの長さに亙って20台のLEDスクリーンが連なり、鯉が悠々と泳いでいる作品「Carp」もある。場内で流れている耳に優しい環境音楽のような音響作品もオピーの作品だ。

点と線という最小限の視覚言語(時折音も)によって構成された作品群は、風景にポンとあることで、その空間に彩りと躍動がもたらされ、目と耳に楽しく優しい。

ちなみに、オピー自身も作品選定や展示構成など本展のキュレーションに関わっているそうだ。開催は9月23日(月)までとなっているので、貴重な機会に足を運んでみてはいかがだろうか。

公式サイト : http://www.operacity.jp/

 


開催概要

■展覧会名  :  ジュリアン・オピー Julian Opie
■会期    :  2019年7月10日[水] ― 9月23日[月]
■会場    :  東京オペラシティ アートギャラリー
■開館時間  :  11:00 ─19:00 (金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで
■休館日   :  月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月4日(日・全館休館日)
■入場料   :  一般1,200(1,000)円/大・高生800(600)円/中学生以下無料
■お問合せ  :  03-5777-8600(ハローダイヤル)

※同時開催「収蔵品展067 池田良二の仕事」「project N 76 末松由華利」の入場料を含みます。
※収蔵品展入場券200円(project N を含む / 割引無し)もあり。
※( )内は15名以上の団体料金。
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
※割引の併用および入場料の払い戻しはできません。


「ジュリアン・オピー」展示風景 撮影:木奥恵三