NEW 【レビュー】一人の赤ちゃんをめぐる大人たちの様々な思惑―『ベイビー・ブ... CINEMA 2022.06.29 毘沙門天 華男 『そして父になる』で養子縁組問題を、『万引き家族』で疑似家族を描いた是枝裕和監督。 その最新作は、キャスト、スタッフ、舞台もオール韓国という初の韓国映画だ。 ある理由から赤ちゃんポ……
NEW 【レビュー】美しい島国でのリアルを切り取った感動作―『ルッツ 海に生き... CINEMA 2022.06.28 毘沙門天 華男 地中海の美しい島国マルタ共和国。 そこで制作された映画が日本で公開されるのは本作が初めてらしい。 自分はかなり前にマルタを訪れたことがあるが、何と言っても海が綺麗で、港町を含む街並……
【レビュー】映画館で大きな映画愛に包まれよう―『ストーリー・オブ・フィ... CINEMA 2022.06.21 毘沙門天 華男 まるで映画の美術館のような作品が公開中だ。 監督はスコットランドのドキュメンタリー監督マーク・カズンズ。 映画に魅了された彼は、今でも1日1〜2本を観ており、何とこれまで観た作品の……
【レビュー】アニメとドキュメンタリーの融合で描かれるアフガニスタン脱出... ANIMATION 2022.06.15 毘沙門天 華男 30代半ばの研究者である青年アミンには、恋人の男性にも話さずに20年以上も心に抱え続けた秘密があった。 それはアフガニスタンで生まれ育った彼が経験した壮絶な過去だった。 幼少期の彼……
【レビュー】恐ろしいほどのリアリティをもって描くディストピアについての... CINEMA 2022.06.10 毘沙門天 華男 メキシコからとんでもない映画がやってきた。 海外の映画祭でも賛否を呼んだこの問題作、観る人を選ぶというか、監督の言葉を借りれば、「観る人の覚悟」が確実に試される衝撃作だ。 映画は、……
【レビュー】歴史的冤罪事件において一人の男の無罪を訴え続けたある軍人の... CINEMA 2022.06.09 毘沙門天 華男 19世紀末のフランスを騒然とさせた歴史的な冤罪事件「ドレフュス事件」。 ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を漏洩したというスパイ容疑で終身刑を宣告され、仏領ギアナの悪……
【レビュー】80年代のレガシー的作品がさらなる進化を遂げて帰ってきた―... CINEMA 2022.05.31 毘沙門天 華男 アメリカ海軍に所属するパイロットの上位1パーセントだけが入ることのできる誇り高き養成所、トップガン。 晴れて入所を果たした主人公マーヴェリックの挑戦、挫折、成長と恋愛を描いたアクシ……
【レビュー】ロシア・ウクライナ戦争の背景事情としてのいくつもの日常の光... CINEMA 2022.05.30 毘沙門天 華男 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、今なお収束の目処は立っていない。 侵攻2日前にプーチン大統領が一方的にその独立を承認した「ドネツク人民共……
【レビュー】ボクシングの魔力に翻弄される人間たち―『生きててよかった』 CINEMA 2022.05.24 毘沙門天 華男 関わる人間の人生に栄光と喜びをもたらすこともあれば、大いにこれを狂わせることもある、それがボクシングだ。 名作『ロッキー』に代表されるような世界中の多くの映画がそんなボクシングの魔……
【レビュー】ある夜を境にそれまでの日常を完全に失った2人の男の物語―『... CINEMA 2022.05.20 毘沙門天 華男 この映画の監督は何とも人が悪い。 登場人物たちを焦燥と絶望の淵でさまよわせる物語の展開。 その出口の見えなさ加減は、本当に自分は観客で良かった、とさえ思ってしまうほどだ。 もちろん……
【レビュー】ひとりの在日クルド人少女が大切にする日常と想い―『マイスモ... CINEMA 2022.05.19 毘沙門天 華男 司法制度に切り裂かれる家族を描いた作品としては、今年2月に公開されたアメリカ映画『ブルー・バイユー』のエモーショナルな感動もまぶたに残るが、同じ感動作でも本作は一人の女子高生の普通……
【レビュー】切ない叙情が胸を打つ―広瀬すず×松坂桃李 主演作『流浪の月... CINEMA 2022.05.16 毘沙門天 華男 恋愛や友情といった一般的な関係性に安易にカテゴライズできない男女の特別な繋がり。 そんな2人を活躍華々しく日本映画界を牽引する実力派の広瀬すずと松坂桃李とが主演し、横浜流星、多部未……
【レビュー】孤独で未熟な大人たちの愛すべき「現代」のラブストーリー―『... CINEMA 2022.05.09 毘沙門天 華男 都会で暮らす若者たちのままならない今の日常を、決して大げさに美化したりすることなくむしろリアルに、時に突き放すように描いた作品が公開中だ。 もう決して若者とは呼べない自分なんかが、……
【レビュー】ルーマニアの鬼才が送る皮肉と笑いの映像詩―『アンラッキー・... CINEMA 2022.05.05 毘沙門天 華男 「映画」とは「あまりに恐ろしくて直視することとができない現実を反射させる盾だ。」(メドゥーサの神話に喩えて) 「本物の詩人は喜劇と悲劇を同時に作る。人生には悲劇と喜劇の両方が含まれ……
【レビュー】甥っ子との共同生活を通して描かれる、可能性に満ちた人生の愛... CINEMA 2022.05.03 毘沙門天 華男 自分にとって良い映画を作る唯一の方法は身近なものについて作ることだ、と本作のマイク・ミルズ監督は語る。 『人生はビギナーズ』では父との関係を、『20センチュリー・ウーマン』では母と……
【レビュー】人喰い白人至上主義者と黒人家族の血みどろのバトル!―『KK... CINEMA 2022.04.26 毘沙門天 華男 その配給作品の癖というか振り切れ具合が個人的にいつも気になってる配給会社のTOCANAさんがまたぶっ飛んだ映画を仕入れてきた。 KKK(クー・クラックス・クラン)と言えば日本でもほ……