【レビュー】極限の興奮状態が続くギャスパー・ノエの新作『CLIMAX クライマックス』

CLIMAX

『アレックス』をはじめ、センセーションを巻き起こし続けているギャスパー・ノエの約3年ぶりの新作『CLIMAX クライマックス』。

携帯も通じない人里離れた廃墟にて、22人のダンサーたちが来たるべきアメリカ公演のための最終リハーサルを終え、打ち上げを始める。

外は雪が降っており、言わばそこは、簡単に「日常」には戻れないクローズドな場所である。ダンサーたちはサングリアを浴びるように飲み、爆音で流れるダンス・ミュージックに身を任せて踊り始める。

しかし、そのサングリアには誰かの手によりLSDが混ぜられており、それによってダンサーたちは、徐々にトランス状態に陥っていく――。

自らの肉体を最大限に使って表現活動を行うダンサーが、人里離れた廃墟で、バキバキに快楽を刺激する音が流れる中、無意識にドラッグを摂取するとどうなるのか。

理性と秩序はいとも簡単に崩壊し、狂乱の宴が繰り広げられる。そこで解放されているのは本能なのか、眠っていた性(さが)なのか、それともどこから来たかもわからない悪魔のようなものなのか。

冒頭でエンドロールが流れ、ロングショットが多用され、これぞという字幕の仕掛けがあり、名作へのオマージュがサンプリングのようにちりばめられる。

主演はマドンナのワールドツアーへの参加経験を持つ世界的なダンサーであり、『キングスマン』等に出演する女優、ソフィア・ブテラ。

ダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが書きおろした“Sangria”をはじめ、リル・ルイス、エイフェックス・ツイン、ジョルジオ・モロダー等のダンス・ミュージックが爆音で流れ続ける。

ドラッギーな映像と音が極限の興奮状態を生み続ける97分間。やっぱりノエ、すごすぎ。

 

『CLIMAX クライマックス』 あらすじ

1996年のある夜、有名な振付家の呼びかけで選ばれた22人のダンサーたちが人里離れた建物に集まり、アメリカ公演のための最後のリハーサルをしている。公演前の最後の仕上げともいうべき激しいリハーサルを終え、打ち上げパーティを始めたダンサーたちは、爆音ミュージックに体を揺らしながら、大きなボールになみなみと注がれたサングリアを浴びるように飲んでいた。しかし、そのサングリアにはLSD(ドラッグ)が混入しており、ダンサーたちは、次第に我を忘れトランス状態へと堕ちていく。一体誰が何の目的でサングリアにドラッグを入れたのか?そして、理性をなくした人間たちの狂った饗宴はどんな結末を迎えるのか・・・?

■監督・脚本:ギャスパー・ノエ
■出演:ソフィア・ブテラ、ロマン・ギレルミク、スエリア・ヤクーブ、キディ・スマイル
■原題『CLIMAX』 R-18
■配給:キノフィルムズ/木下グループ

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