RachelとMamikoからなる女性ラップユニット、chelmico。1年ぶりのセカンドアルバム『Fishing』がとても良い。
より自分たちの好きなものを素直に作ったそうで、これまでと同様、友達度高めのクリエイター陣が参加したトラック群は安定のかっこよさ。フリーキーなリズムを取るシャープなRachelのラップと、安定してマイルドな曲線を描くMamikoのラップ、その絶妙なコントラストとそれが重なった時の気持ちよさ。
先日放送された『バズリズム02』では「女性に人気のアーティスト」という触れ込みで登場。
メロウな曲が多めの『Fishing』を象徴する配信シングル曲“Balloon”を披露していたが、《悲しみの色が青だなんて嘘だ/何にも無いんだよ ここには》(Rachel)《曖昧にしとくべきなのさ、本当は/約束未満で進行してく》(Mamiko)と、chelmicoならではのリアルで良い温度感の金言がズラリ。
『Fishing』リリースに伴う全国ツアーも全公演がソールドアウトし、マイナビBLITZ赤坂の追加公演が発表されている。
このchelmico、楽曲とラップのクオリティの高さに加え、ふたりのキャラクターもとても魅力的。Mamikoはお笑いとラジオが猛烈に好きで、『タモリ倶楽部』にも出演。Rachelは映画とゲームにやたら詳しい。
いざふたりで話し始めると、仲の良い友達同士のノンストップなトークという感じで、外部が入り込めないくらい盛り上がる。かねてから「ラジオ番組が持ちたい」と公言しているふたりだが、5月に放送された『chelmicoのオールナイトニッポン0(ZERO)』も非常におもしろかった。
ふたりをchelmicoとして引き寄せたのはRIP SLYMEが好きという共通点だが、RIPのように、楽曲のクオリティは間違いなく、キャラクター性も抜群、広く愛される存在にどんどんなっていくであろう、そんな予感が強くする。