【レビュー】現代版『プリティ・ウーマン』の呼び声高き名ラブコメ──『ロング・ショット』

ロング・ショット




シャーリーズ・セロンが大統領選への出馬も決まるアメリカの国務長官・シャーロット役。

セス・ローゲンが悪名高きメディア王に買収されたことへの怒りで会社を辞める、無鉄砲なジャーナリストのフレッド役。

次期アメリカ大統領候補であり好感度抜群の女性と、見た目にも無頓着なアウトローの男性という幼馴染同士が恋に落ちる、現代版『プリティ・ウーマン』的な名ラブコメだ。

ロング・ショット

大枠の設定もとても現代的だが、それに加え、絶妙な大ネタから小ネタまでが満載で飽きさせない。

『ストレイト・アウタ・コンプトン』で見た目もそっくりな実父アイス・キューブ役を務め鮮烈な映画デビューを飾ったオシェア・ジャクソン・Jrがフレッドの親友役で、アレクサンダー・スカルスガルドがハイスペックなカナダの首相役。

シャーロットとフレッドが再会するパーティーではBOYZ Ⅱ MENがライブをし、リル・ヨッティも本人役で登場。

シャーロットはちゃっかり『ゲーム・オブ・スローンズ』の全話のあらすじが頭の中に入っていて、フランク・オーシャンの“ムーン・リバー”がこれぞというタイミングで流れる。

そして、シャーロットとフレッドのケンカの内容というのが、

「俺は政治家の君じゃなくて環境を守る君を救うって言ったんだ」

「試合は最後まで戦って」

「勝つ頃には誰がタッチダウンして、誰かゴールでホームランなのかわからない」

というセリフのやりとりだったり、本質がいつの間にかすり替えられる今のシリアスな世相が反映されているのも抜け目ない。

脚本は『サウスパーク』でデビューしたダン・スターリング、監督は『50/50 フィフティ・フィフティ』のジョナサン・レヴィン。

ブラック・ユーモアとペーソスも絶妙に盛り込まれ、「今」の空気をたっぷり楽しめる。

 

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』 あらすじ

アメリカの国務長官として活躍する才色兼備なシャーロット・フィールド。大統領選への出馬を目前にして、ジャーナリストのフレッドに、選挙のスピーチ 原稿作りを依頼する。常に世間から脚光を浴びるシャーロットと共に行動するうちに、高嶺の花と知りながら恋に落ちるフレッドだったが、越えなければ ならない高いハードルがいくつも待ち受けるのだった…。

■監督:ジョナサン・レヴィン
■脚本:ダン・スターリング、リズ・ハンナ
■出演:シャーリーズ・セロン、セス・ローゲン、オシェア・ジャクソン・Jr 他
■配給:ポニーキャニオン

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