市原隼人が主演を務めるドラマシリーズ「おいしい給食」のシーズン3が、いよいよ10月より放送開始となる。同シリーズは市原演じる給食マニアの中学教師・甘利田幸男が生徒たちと給食バトルを繰り広げる「笑って泣ける学園食育エンターテインメント」の最新作で、今作では本州を飛び出して函館の地が物語の舞台だ。甘利田役の市原にインタビューをした。
―今回は函館が舞台ですが、最初に撮影が決まった時はいかがでしたか?
まず台本の冒頭で「わたしは極端に寒がりだった」とあり、これはもう面白いに決まっているじゃないかと思いました(笑)。舞台となる函館ならではの食材もたくさん出てくるので、早く現場にはいり撮影したくなりました。
―給食マニアの中学教師・甘利田幸男を演じて、改めていかがでしたか?
単純に甘利田を演じることは精神的にも体力的にも大変です(苦笑)。チャップリンの言葉にあるのですが、人生は近くで観ると悲劇だけれど、遠くで観ると喜劇であると。まさに甘利田もそのとおりで、彼は給食に一生懸命でいろいろなことに勝手に振り回される。まわりから見たら滑稽でも、本人にとっては悲劇なんです。それを真面目に演じることで、俯瞰して観ると喜劇に見える。悲劇の連続なので、演じている僕としては大変ですが(笑)。
それと、甘利田は相手が子供でも負けを認めて「負けました」と言える。ああ、こういう大人でありたいなとも思います。
―シーズン3の注目ポイントは?
新たなライバルとして、田澤泰粋が演じる粒来ケンという生徒が出て来ます。前回までの神野ゴウ(佐藤大志)とまた違った新たな魅力をまとった子です。ケンが缶ぽっくりをやっているのですが、僕もやりたいと内心では思っていました(笑)。
―生徒たちの共演はいかがでしたか?
「おいしい給食」の現場ほど子供たちに愛情を注ぐ作品は無いと思います。彼らがいて初めて成り立つ物語ですし、僕にとっては子どもたちが主役なんです。子どもたちが現場に来たくなるような、芝居って、モノ作りって楽しいなと思ってもらいたいと奮闘しました。
それと画には映っていないですが、全ての撮影終了後に、クランクアップの日にひとりひとりに卒業証書を渡すのですが、その時にみんな泣いていて、この子達と一緒にできてよかったなと本当に救われました。
―毎回話題となる給食ですが、今回はいかがでしたか?
本当に美味しいんです。フードスタイリストの松井あゆこさんが、給食以上でもない。給食以下でもない本当の給食を作ってくださって、それが素晴らしく美味しすぎました。
―ロケ地の函館では、撮影以外に過ごす時間はありましたか?
子供たちの撮影が始まる前に少しだけ時間があったので、一緒に函館山に行きました。とても楽しかったです。役者とかそういう肩書も全部忘れて、みんなで記念写真を取ったりしました。短い時間でしたがとてもいい時間になり、楽しかったです。
―大人気のシリーズとなりましたが、反響をどう受け止めていますか?
不登校のお子さんが『おいしい給食』を観たら学校へ行く勇気が出たなどと声をいただくこともありました。役者冥利に尽きます。そのために僕は役者をやっていたのだと改めて思いました。キャリアを重ねると狂気の芝居がしたい、ドープな恋愛ものをしたい、アウトローを演じたいなど、振り切った方向性に行きたくなってしまうのですが、すべてのお客様に楽しんでいただける王道のエンターテインメントの作品の素晴らしさを改めて実感しました。そこが作品作りの根源なんだと。全世代が、肩の力を抜いて楽しめる作品でありながら、しっかりとしたメッセージ性が込められている骨太のエンターテインメントを作ることを目指しています。
お客様に求めていただいて初めて作品は成立しますので、お客様のためにあるべきだと思っています。『おいしい給食シーズン3』は今まで応援してくださったファンの皆様にも安心して楽しんでいただけますし、初めてご覧いただく方にも楽しんでいただけると思います。
■番組名:「おいしい給食 season3」(全10話)
■放送日:10月よりテレビ神奈川、TOKYO MX、BS12 トゥエルビ、TVerほかにて順次放送スタート
監督:綾部真弥、田口桂
脚本:永森裕二
出演:市原隼人 大原優乃 田澤泰粋 栄信 六平直政 いとうまい子 高畑淳子 小堺一機
©2023「おいしい給食」製作委員会
公式HP:https://oishi-kyushoku3.com
ヘアメイク:大森裕行(ヴァニテ)
スタイリスト:小野和美