歌舞伎俳優の片岡愛之助が、ディズニー映画『ホーンテッドマンション』で、日本語吹替えを担当した。演じるのは、調子が良すぎる自称神父ケント役で、心霊写真家、歴史学者、霊媒師とともに、母子を救うため“呪われた館の謎”に挑んでいく。映画『ホーンテッドマンション』のことをはじめ、今年100周年を迎えたディズニーとの思い出などを聞いた。
―今回日本語吹替のオファーが来た時、率直にいかがでしたか?
「よしっ!」「やったー!」って感じでした。うれしさしかない、まさかでしたね。ディズニー作品の日本語吹替えは、口には出さないけれど、夢としてみんなが思ってることじゃないですか。出すのもおこがましいですし、そんなキャラでもないのですが(笑)、みなさんがあこがれるなか狭き門をくぐれたことは、すごくうれしかったです。
―自称神父ケント役を演じてみていかがでしたか?
声優さんってすごいなと改めて思いました。声だけで喜怒哀楽を明瞭に表現することの奥深さを感じました。体を動かさずに声だけで表現することは、自分が「出せている」と思っている以上に出来てなかったり、難しい作業でした。でも、収録は非常に楽しかったです。10時間くらい続けても平気なほど、面白くてのめりこんでしまいました(笑)。
―作品や物語など、鑑賞された感想はいかがでしたか?
最初は自分が声を当てているので、どういう感じに作品の中に溶け込めているのだろうかとドキドキしましたが、とても怖いホラー映画というわけではないので、ファミリームービーとして楽しめますね。そこがこの作品のいいところですよね。楽しく拝見できました!
―元になっているアトラクションは、乗ったことがありますか?
つい先日も改めてこのお話が決まってから、弟子とふたりで東京ディズニーランドのホーンテッドマンションに乗って来ました(笑)。今思うと、あの世界観がそのまま映画館で体感出来るんですよね。亡霊たちがダンスしていたり、壁の絵が動いたり。なので映画を観たら、もう1回東京ディズニーランドへ行きたいなと思いました。
―おっしゃるように映画を観ると、乗りたくなりますよね。
そうなんです。実は最初うちの妻と「行こうね」と話していたのですが、時間がポッと空いた日があったものですから「ごめん、抜け駆けして今日行って来たよ」と(笑)。なので映画を観てから一緒に行く約束をしました。アトラクション、非常に楽しかったです!
―今年はディズニー100周年なのですが、ディズニー関連でこれまでの一番の思い出はありますか?
ディズニー作品はこれまでたくさん拝見しておりますが、その中で『美女と野獣』がありますね。ジャン・コクトーが舞台版を作った時に、歌舞伎の白と赤の連獅子を観て思い浮かんだそうなんです。それで僕自身も数年前、『美女と野獣』を歌舞伎で作ったんです。人物も和風にして。
出てくる人物で言うと横恋慕してくるガストンを僕が演じまして、あとは野獣と元に戻った王子様。つまり、歌舞伎なのでお殿様なのですが、三役を演じました。連獅子もやり、野獣も演じ、最後には殿様なので白塗りをしなければならないので大変でしたが、これは思い出の作品になりました。なので、今回の吹替えはめぐりめぐってひとつのご縁のような、全部ひとつの線でつながっているかのような気持ちになりました。
―人々を魅了するディズニーの魅力とは、改めて何だと思いますか?
本当に天才的で、よくいろいろなものを考えつかれるなと思います。どういう会議でどういう風に、誰が決めているのか知りたいですね(笑)。僕らは新しい歌舞伎も作りますので、どこに着目して、どういう題材で、どう物語を作るのか、とても興味があります。しかも、地球上のみんなが大好きという、そんなアイテムはなかなかない。いつかディズニー歌舞伎もやってみたいですね。
―最後になりますが、この秋、『ホーンテッドマンション』を観る方へメッセージをお願いいたします。
この映画は、怖いだけではございません。いろいろな伏線があって、愛もたっぷりある作品です。幅広い年齢層の方に楽しんでいただけると思いますし、映画を観たら絶対ディズニーランドのホーンテッドマンションにまた乗りたくなると思います。ぜひよろしくお願いします!
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