低栄養素って知ってる?対策は○○な食事!




何かと体の不調を感じやすい5月。

皆さんは低栄養素という言葉は知っているだろうか?

これは、体内のたんぱく質などが不⾜し、⾝体機能の維持に必要な筋⾁や⾻を作るための栄養が⾜りない状態で、1⽇に消費する栄養に対し、摂取する栄養が⾜りないことで起こるのが低栄養だ。

集中力の低下、免疫の低下、体力の低下などが症状としてある。

低栄養の主な原因としてあげられるのが、「⾷事量の低下」で、特に⾼齢者は全⾝の筋⼒が低下し、噛む⼒が衰え満⾜に⾷事を摂取しにくくなり、⾷事量が低下しやすくなるため、低栄養状態に陥りやすいと⾔われているが、近年は若者の間で低栄養が増加傾向に。

原因として挙げられるのが、ダイエットや美容の為の⾷事制限や、偏った⾷⽣活。

例えば、パスタのみの昼⾷や、パンとコーヒーのみの朝⾷など、炭⽔化物が多めの⾷事が代表的で、また、ファストフードやインスタント⾷品の摂りすぎも、脂質・糖質は多めである⼀⽅、ミネラルやビタミンが極端に不⾜し低栄養状態の原因となるようだ。

とにかく、バランスの良い食事というのが重要となる。

そこで今回、静岡県⽴総合病院リサーチサポートセンター臨床研究部⻑の⽥中清氏による栄養の偏りによって起こる症状や対処⽅法、普段の⾷事でどのようなことに気を付けるべきなのかをご紹介しよう。

バランスの良い⾷⽣活で栄養不⾜を予防、というが昨年国内において「ビタミンD⽋乏」が注
⽬されたように、⾷⽂化の違いや時代の流れにより、どうしても摂りにくい栄養素がある。

なかでも、昨今世界で摂取不⾜が注⽬されている栄養素が『ビタミンB1』だ。

『ビタミンB1』は“疲労回復ビタミン”とも呼ばれ、⽣活するうえで重要な栄養素。

■『ビタミンB1』の働きとは︖
『ビタミンB1』はチアミンとも呼ばれる⽔溶性のビタミンです。解糖系やクエン酸回路のエネルギー代謝の⼀部で補酵素として働き、特に糖質を代謝するために⽋かせません。また、糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要なビタミンのため、糖質やアルコールを多く摂取する⼈にぜひ摂り⼊れてほしい栄養素です。

また、運動によってエネルギー消費が多い⼈はより多くの『ビタミンB1』が必要になります。なかなか痩せない、疲労回復が遅いと感じる⼈は、摂取量にも着⽬してみましょう。

また、不⾜すると、ブドウ糖から⼗分にエネルギーを産⽣できなくなり、⾷欲不振、疲労、だるさなどの症状が現れます。脳はブドウ糖をエネルギー源としているため、『ビタミンB1』が不⾜するとエネルギーが不⾜し、脳や神経に障害を起こします。重症な場合は脚気(⾜の浮腫、しびれ、動悸・息切れ)やウェルニッケ・コルサコフ症候群(中枢神経が侵される障害)になり、重篤な場合は死亡することもあります。

■『ビタミンB1』が摂取しにくい理由
『ビタミンB1』は主に⾷事から摂取され、⾁類、⿂類、⾖類、穀類、種実類などに多く含まれます。⽶や⼩⻨にも多く含まれますが、精製されると少なくなるため、主に発展途上国など、⽩⽶や⽩い⼩⻨粉の割合が⾼い⾷事では⽋乏症になることがあります。

⽋乏のもう1 つの⼤きな原因としてあげられるのが、アルコールの多量摂取です。アルコールを摂取すると、代謝酵素によりアセトアルデヒドに分解され、アセトアルデヒドはさらに体内で分解されて、酢酸に変化します。最終的にエネルギーを作り出すときに『ビタミンB1』が消費されますが、多量にお酒を飲んだ場合は、代謝酵素のみでは分解が追い付かず『ビタミンB1』が必要となります。

<ビタミンB1 が摂れる⾷材とおすすめの摂取⽅法>
⽞⽶、胚芽⽶、全粒粉パンなど胚芽の部分に多く含まれているため、精製されていない⾷材を選ぶのがポイントです。⽔に溶けやすいので、汁ごと⾷べられる調理法もおすすめです。また、ニンニクや⽟ねぎに含まれる『アリシン』と⼀緒に摂ることで吸収率がアップします。

『ビタミンB1』をメインで紹介したが、特定の栄養素ばかりを過剰に摂取してしまうと体に悪影響を及ぼす可能性がある。

植物性⾷品、動物性⾷品ともにバランスよく摂取することが健康への近道だ。

『ビタミンB1』以外でおすすめの栄養素と、それらの栄養素が摂取できる⾷材も紹介しよう。

■ビタミンD
『ビタミンD』は腸管からカルシウムやリンの吸収を促進する作⽤や⾻の成⻑を促す作⽤など重要な働きをもつ脂溶性のビタミン。

さらに、ウイルスや細菌などの感染を予防する作⽤も確認されて、免疫機能を⾼める作⽤が注⽬されれている。

最近の報告では新型コロナウイルス感染リスクを低下させる効果も医学論⽂で報告されています。

<ビタミンD が取れる⾷材>
・きくらげ ・鶏卵(卵⻩) ・鮭(⽣) ・まぐろ(トロ) ・舞茸

■ビタミンB6
エネルギー代謝の補酵素として重要なビタミンです。特にタンパク質の分解を助けるため、摂取量が多い⼈ほど、『ビタミンB6』の必要量も多くなります。

免疫機能の正常な働きの維持、⽪膚の抵抗⼒の増進にも必要で、⾚⾎球のヘモグロビンの合成にも⽋かせない栄養素です。

<ビタミンB6 が取れる⾷材>
・⾚⾝⾁ ・豚⾁ ・マグロ ・バナナ ・カツオ

ここまで、栄養バランスの摂れた⾷事をおすすめしてきたが、栄養素の種類は複数ある。

それぞれの栄養素が豊富な⾷品を意識して⾷べるというのも現実的には困難だ。

偏った⾷事をしない、同じものばかり⾷べない、できるだけ多様性を持たせていろんな種類の⾷品を⾷べるというのが最善の予防策だ。

ぜひ、参考にしてみよう。

 

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大崎薫
YESNEWSの美容・医療系ニュース担当。休日は1日動物園にいます、主にペンギンエリアで心を無にしている。