【レビュー】女子高生と中年の殺人鬼の体の中身が入れ替わった!?―『ザ・スイッチ』




女子高生ミリーは連続殺人鬼ブッチャーに命を狙われ、襲撃の最中に何故か2人の体は中身の心だけ入れ替わってしまった。

中年男の体に収まったミリーは自分の本当の体を取り戻すため、友人たちの協力を得てブッチャーに立ち向かう。

一方、指名手配中だったブッチャーは自分の正体がバレるリスクが減ったことを喜びさらなる凶行に走ろうとする。

それぞれ一人二役の演じ分けが一番の見どころだ。

大きな体を持て余して慌てふためく50代のおじさんの姿や、あまりに堂々とかつ残忍に襲ってくる女子高生の姿、このギャップが物語を大いに盛り上げる。

高校が舞台になっているため学園モノの楽しさも詰め込まれている。

おじさんボディになった主人公と友人たちの友情や共闘は見た目だけはいつまでもアンバランスで滑稽だ。

監督は、女子大生の主人公が自身の誕生日に殺人鬼に殺されてしまう1日が延々とループするホラー作品『ハッピー・デス・デイ』の監督も務めたクリストファー・ランドン。

監督自身が作品をまたいで2人の女主人公が出会う可能性を示唆する発言もしており、本作自体の続編が制作される可能性もあるようだ。

学園ホラーコメディとでも呼べそうな本作、怖すぎる正統派ホラーは遠慮したいが、刺激の少ないコメディでは物足りないといった気分の時にはまさにぴったり、最後まで小ネタも満載で飽きさせない。

 

『ザ・スイッチ』

■監督:クリストファー・ランドン
■製作:ジェイソン・ブラムほか
■出演:ヴィンス・ヴォーン、キャスリン・ニュートン、アラン・ラックほか
■配給:東宝東和

© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

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毘沙門天 華男
映画、旅、ボクシング、読書、絵を描くこと、サウナ、酒が趣味の福岡出身の多動性中年。このプロフィールを書いてる途中もドラクエウォークをしています。