転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社のプロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」が運営する、副業・フリーランス人材 マッチングプラットフォームサービス「HiPro Direct(ハイプロ ダイレクト)」は、2023年4月1日~2024年2月29日の間に「HiPro Direct」に登録された案件、副業人材のデータを基に、「2023年度 副業案件の傾向」と「2024年度 副業市場予測」をまとめ、発表した。
2023年度の副業市場は、コロナ禍をきっかけに「副業」に興味・関心を持つ個人が増え、「HiPro Direct」における2023年2月の総登録者数は前年同月比で3.6倍となり、副業したい個人は増加し続けている。
企業においても、2024年2月の総登録企業数は前年同月比で5.2倍にまで伸長した。2023年度はビジネス環境の変化に対応すべく、新たな領域への参入・進出を試みる企業がこれまで以上に増加。外部からの人材の受け入れに積極的ではなかった企業においても、経験豊富、かつ専門的なノウハウを有する副業人材の活用が広がったといえる1年となった。
2023年度に案件数が多かった職種1位は「マーケティング/PR」、次いで「新規事業開発/事業企画」という結果に。これらの職種は新型コロナなどによるビジネス環境の変化を受け、個人の購買行動が多様化したことや、企業が新領域へ参入し始めたことで、より高度なスキルや専門性が求められるようになっている。
例えば「マーケティング」は、企業のオムニチャネル化の推進により、デジタル広告の運用だけでなく、事業戦略を踏まえたWebマーケティング戦略を立案できる人材が求められるようになっている。「PR」は、コンテンツマーケティングにおける、コンテンツ配信戦略や効果測定スキルが求められ傾向に。
「新規事業開発」については、リサーチャーに求められる市場調査と分析によるニーズ発掘や、システム開発要件定義にまで対応できる人材を求める企業が増加しており、ニーズが高まっている。こうした「マーケティング/PR」や「新規事業開発/事業企画」に関する高度なスキルを持つ人材は希少であり、採用は困難。そのため企業は経験豊富、かつ専門性を有する人材を外部から積極的に受け入れていると想定されている。
業種別の1位は、「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」だった。本業種は、人材採用や活用のサポート、人材のアウトソースを行っている。その結果、副業人材を受け入れることに対しても抵抗がない企業が多いことに加え、デジタル化やDX化が活発になっているためエンジニアやPMなど、IT技術に関するニーズが高まっていることから、該当スキルを持つ副業人材の受け入れが進み、1位にランクインしたと考えられる。
3位の「建設・プラント・不動産」は、2024年問題を受け、施工現場での業務効率化などに関連するポジションで副業人材を活用する動きが出ている。また、同問題への対応の一つとして、人事制度やはたらく環境を見直す必要があるが、給与や評価制度の改定などに関するノウハウが十分でないことから、人事領域のニーズが高まり、副業人材を活用したいと考える企業が増えたと想定される。
2024年度 副業市場予測
企業による副業人材の活用は、これまでのスポットから、中長期な活用に広がる見込みへ
2024年度は、専門知見やノウハウの獲得、強化に向けて、副業人材の活用が一層広がると予想されます。2023年度は1回数時間で行うスポットコンサルを始めとした短期契約が多い傾向にありました。2024年度は短期契約から入り、企業・個人が互いにフィット感を見極めた上で、中長期的・年単位で継続的に関わり合う事例が増えると考えられます。
領域でみると、「新規事業」に関する副業人材のニーズは、2024年度以降さらに拡大すると見込んでいます。従来のような新規事業のアイデア/実行プランにおける壁打ち役といったポジションだけでなく、新規事業開発のプロジェクトを主導する役割を担うなど、副業人材に依頼する業務の幅が広がるでしょう。これにより企業は、スピーディに専門的な知見やノウハウを自社に取り入れることで、事業拡大を目指すと考えられます。(HiPro編集長 鏑木 陽二朗)
■HiPro Direct
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