【インタビュー】花澤香菜、『銀河英雄伝説 Die Neue These』ヒルダ役について語る 「どんどんラインハルトに寄り添っていく、その変化は意識しました」




銀河英雄伝説ファンのみならず、幅広いアニメファンにとっても待望の『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』、そのフォースシーズンの第一章が、9月30日(金)、ついに全国公開となる。全三章、全国47都道府県の劇場で各章3週間限定上映の一大スケールで贈る壮大なスペース・オペラだが、その公開を記念してヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ役の花澤香菜にインタビュー。作品のことや役柄について話を聞いた。

―今回の作品ですが、全体的な感想についてはいかがでしょうか?

わたし自身もドラマを楽しみながら観ているのですが、戦争という部分では、「こういう悪い考え方をする人たちがいそう!」とか、いろいろと今の問題と重ねて観てしまうところはあります。自分のことだけを考えている人、国をよくしようと思っている人、いろいろな人が出てくるので、そういうことを市民として見極めないといけないんだなと観ながら思いました。現実的な部分と照らし合わせてみるのも楽しいです。

―今回の作品で注目したキャラクターはいますか?

今回活躍するキャラクターがいまして、オスカー・フォン・ロイエンタール(中村悠一)がカッコいいんです。今まではモテモテのいけすかない感じを醸し出している人だったのですが(笑)、ちゃんと戦うんです。今回、キャラクターがとても魅力的なので、注目してほしいです。

―自身のキャラクター(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ)については、どう受け止めて演じているのですか?

ヒルダ(愛称)は頭の切れる女の人で、ラインハルトを支えていくようなポジションにどんどんなっていくんです。もともと重要なポジションだったので、最初はわたしにできるだろうかという不安はありました。

―フォースシーズンまでの彼女の成長については、いかがでしょうか?

ヒルダは、この世界を楽しんで生きていくという、活力に満ちた状態で始まったと思うんです。ラインハルトに家族のことをお願いするシーンがあるのですが、あの時などはまだちょっと野心というか、自分の考えていることが見え隠れする感じがあったと思うんです。好奇心旺盛なやり手の女の人という感じが全面に出ていましたが、どんどんラインハルトに寄り添っていく、その変化は意識しました。

―今回は新たな一面も見せるのでしょうか?

今回は彼女にしてみれば、モノローグが多かった印象でしたかね。彼女がラインハルトにいうセリフは言葉を選んで言っているところがあるので、彼女が本当のところでは何を考えているのかちゃんとわかるようになっているので、ヒルダ的には見どころかなと思います。

―そもそも、このシリーズに最初に出演が決まった時はいかがでしたか?

大きな世界観の作品で、テープオーディション用に一生懸命録ったことを覚えています。その時に初めて「銀河英雄伝説」の小説も読みました。SFに苦手意識があったので、わたしの頭で理解できるかなと思ったのですが、ヒルダを通して作品に触れていったら大丈夫でした(笑)。なので受かった時もうれしかったですし、あの世界観に入れると楽しみにしていたのですが、プレッシャーはとても大きかったです。

―このシリーズに出会ってよかったと思うことは何ですか?

今も足りていない部分があるなあとすごく思うのですが、たぶん20代の時のわたしなら選ばれてないなと思っていて、それってちょっとずつ自分ができなかったことが、ちょっとずつできるようになったからなのかなと思ったりするんです。宮野さんもおっしゃっていましたが、宮野さんをはじめ、本当に素敵なキャストのみなさんとお芝居が出来て、それに引き上げられている部分がすごくあると思うので、そういう現場にいられることはすごくありがたいなと思います。

―最後に銀英伝をこれから見る方にメッセージをお願いいたします。

初めて入るとなると、物怖じしちゃうかも知れないのですが、わたしも関わる時に物語が壮大なイメージがあったので、ちゃんと理解ができるかなとか不安だったところもあるのですが、入ってしまえば、本当に続きが気になって仕方がないくらい楽しみになりました。この前のお話や、こういうインタビューで手がかりを見つけて、ぜひ思い切って飛び込んでほしいなと思います。

 

策謀あらすじ
最高権力者ラインハルトの善政による改革が国民からも支持されている銀河帝国と、不敗の魔術師ヤンらの活躍も空しく、政府の腐敗による国力低下が著しい自由惑星同盟。両国間の勢力バランスに大きな変化が生じる中、第三の勢力フェザーンの自治領主ルビンスキーは、自由惑星同盟を見限り、大きな陰謀をめぐらせていた。ラインハルトは、幼い銀河帝国皇帝の誘拐と自由惑星同盟への亡命というその企みを知りながらも、自身の野望のため利用しようと考える。ヤンも同盟に最大の危機が迫りつつあることは予感していたが……。そんな中、正式な軍人になったユリアンをフェザーンの駐在武官に任命する命令が届く。

『銀河英雄伝説 Die Neue These』フォースシーズン「策謀」第一章2022年9月30日(金)、第二章2022年10月28日(金)、第三章2022年11月25日(金)より 全国47都道府県の劇場にて 各章3週間限定上映

(C) 田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These 製作委員会