王子ホールディングスは、31日(木)に東京・代官山にて、俳優の杏をゲストに迎えたスペシャルトークイベント『森する時間~森に惹かれる“なんとなく”を解明~』を開催した。
本イベントは、人気キャラクター「ムーミン」とコラボレーションし、森がくらしにもたらす豊かさを発信する「WITH FOREST PROJECT」の一環として、森の価値を見つめなおす機会の創出を目的に実施したもの。
ちなみに、「WITH FOREST PROJECT」は、「Respect for Nature」を価値観に持つ「ムーミン」と、森林を健全に育て森林資源を活かした事業を150年以上続ける企業である王子ホールディングスが、互いに共通する価値観のもと、すべての人に森を身近に感じてもらうことを目的に2025年2月よりスタートした、森の価値を発信する取り組みだ。
トークイベントでは、多くの人が感じる「森に“なんとなく”惹かれる感覚」を言葉にし、自然と人の結びつきをアカデミックな視点から紐解きながら森の価値を見つめ直す時間をテーマに、スペシャルゲストとして俳優の杏、東京大学大学院 農学生命科学研究科の曽我昌史准教授が登壇し、クイズを交えながら楽しく語り合う。

今年フィンランドで3カ月過ごされたという杏は、「フィンランドは森や湖がすごく多くて、私の過ごした街も湖の真ん中にあったり、少し行けば森の中だったので、歩くだけで自然を感じられました。森の中にいるときは、無条件で気持ちが良いなって。言葉にできないのですが、なんとなくだけどすごく心地よいっていう気持ちになりますね。」 と、実体験を語った。
この「なんとなく」という感覚について、曽我准教授は「実はきちんと心地よさの理由がある」と解説。
「皆さんの心と身体は自然の中にいると色々な反応を起こしますが、例えばストレスがなくなる、ポジティブな感情が増える、集中力が高まるなど、本当に多岐にわたる反応が感じられます。五感を通して自然を体験することで、私たちの心と身体のバランスが整ってきます。」 と、心地よさのメカニズムを分かりやすく説明してくれた。
次に、曽我准教授は23カ国を対象とした調査結果を紹介。
そこでは「週1回以上自然と触れあう日本人の割合は21%で、調査国の中で最下位」という衝撃的なデータが。
この結果に杏は「確かに、私は犬を散歩させたり子供を公園に連れて行ったりしていたので自然と触れていましたが、それがなかったら仕事と現場の往復だけだとちょっとカウントができないなと思いました。日常では難しいですよね。」と共感の声を上げた。
この“自然離れ”の背景について、曽我准教授は子供の頃の自然体験はその人の自然に対するポジティブな感情・関心とか、自然と触れ合いたいという意欲形成においてすごく大事だと思います。」と、幼少期体験の重要性を指摘。
これに対し、杏はご自身の経験を振り返り、「ヨーロッパ諸国はバカンスがあって、2~3週間、自然があるところに行くチャンスがあります。日本はこれだけ森林大国ですが、やはり時間を作るのが難しいってところになるのかな」 と深く頷いた。

MCから「“なんとなく自然を感じたい”と思うのは、どんな時ですか?」と問いかけられると 、杏は「やはりリラックスしたい時とか、落ち着きたいなみたいな時ですね」と回答。
これを受け曽我准教授は、「私たちの心と身体が、自然の中にいると心地よいと思う証拠ですよね。これまでは自然と出会うと気持ち良いと漠然と言われてきましたが、私たちの心と身体の深いところに根ざした“本能的なサイン”と言えるのだと思います。」と、これまでの議論を締めくくった。
なお、イベント当日の様子は後日、杏の公式YouTubeチャンネル「杏/anne TOKYO(https://www.youtube.com/@annetokyo)」での公開を予定しているので、是非チェックしてみよう!