日本が世界に発信すべき「食×アニメコンテンツ」世界的ラーメンブームの影には『NARUTO』の影響も?




日本が世界に誇る文化の一つである「食」と「アニメーション」。2つの資産を掛け合わせることが、農林水産物・食品の輸出拡大にいかに寄与するのか? その可能性を探る定性調査がアメリカ・ロサンゼルスとフランス・パリにて実施され、日本の未来を担うといっても過言ではない、いくつかのポイントが見えてきた。

1日、都内で開催された「食×アニメコンテンツ」の海外における調査結果報告会。「日本の食文化」に関する海外に向けた情報発信活動を行う、JFOODO執行役の北川浩伸氏と、アニプレックス元代表取締役社長であり一般社団法人アニメジャパン副理事長を務める夏目公一朗氏によるトークセッションを行った。

まず、北川氏が、2023年2月に発表された輸出額は1兆4,148億円を突破しており、農林水産物、食品の輸出が伸びているということ。しかし、フランスやニュージーランドなど他の国は積極的にPRしているということを踏まえ、「日本の食が強いならばもっとPRを強化しよう」という目的からJFOODOが立ち上がった経緯を説明。

「食×アニメコンテンツ」の様々な可能性について、ロサンゼルスとパリで調査したところ、ロスでは「既存のメジャーコンテンツとのコラボ」、「無料サンプリング」が重要視されており、パリでは「新規の日本コンテンツとのコラボ」、「PRと流通両面での事業促進の必要(実際に品物がなければ意味がない)」への要望の声が聞かれ、食とアニメコンテンツの組み合わせにおける地域性の違いが明らかになった。

その後、「日本のアニメコンテンツは日本の食のグローバル化にどう貢献するか」というテーマのもとトークセッションが行われた。

まず、海外でのアニメイベントに参加することも多い夏目氏が、「どの日本の文化のカテゴリーでもそうだと思うが、アニメや漫画も最初はニッチな文化だった。ポケモン、ドラゴンボールが欧米で大ヒットし、日本のポップカルチャーが認識され、ニッチからサブカルチャーにステップアップするいた時代が続いていた。コロナ禍でアニメを家で見ることが広がり、それも普及の理由となっている」と説明。

これには北川氏も「夏目さんが今してくださった話を聞いて、食文化の広がりと似ていると思った。昔は日本食もサブカルチャーの一つなのではないかと感じている」と賛同。

アニメと食文化の関係について夏目氏は「『NARUTO』の中でラーメンが取り上げられていたことが、世界的なラーメンブームへ明らかに影響を与えたと思う。海外に行った時、『サンドウィッチやピザは食べ飽きたからラーメン屋探そうよ』と言うくらい、都市部だとラーメン屋はすぐに見つかり、現地の人が食べている姿を見ました」とコメント。

JFOODOの発表している資料を読み込んだという夏目氏は、「『食材や食品のパッケージにアニメのキャラクターをつけることは賛成だけれども、ライセンスをどうしたら良いのか?』という意見があって、なるほどなと思いました」と話し、食とアニメの組み合わせを推進するためには、今後システムの整備が必要になってくることを示唆した。

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大燈ありす
映画、アイドル、猫とお酒が大好きなライター。広く浅く、日々さくさんのときめきに囲まれて暮らしています。