成田悠輔、日本の“データ活用”の現状について意見「自治体レベルでデータを引き上げる仕組みができていないことが問題」




デジタル ・ インテリジェンス企業の「Similarweb Japan 株式会社」が、デジタルマーケティングを解決に導くセミナーイベント「Digital Edge 2022」を11月17日に開催。データ分析を駆使し世界最先端の研究を行う研究者・起業家の成田悠輔氏が登壇した。

まずは、Similarweb を活用した事例を発表。初めにエン・ジャパン株式会社 執行役員デジタルマーケティング部長 田中 奏真さんが登壇し「競合サイトを 『分析』 するのではなく、 Similarweb のツールを活用し、競合サイトの利用者を 『理解』することで、サイトを成長させることができた」とコメント。

続いて、ミズノ株式会社 グローバルマーケティング室 ブランド&カテゴリマーケティング課 岡田亜子さんが「Similarwebの中のKeyword 機能を中心に分析を行ったところ、顧客が求めている本当のニーズを把握することができた」 と続け、最後に、生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合 サービス事業本部統括菅原桂さんが「アプリ連携、来店誘導、業務フロー改善など、様々な場面で Similarweb のツールが役立った」とアクセス解析の重要性について想いを語った。

この様に、名だたる企業で重要視されている「データ分析」。今後の企業、ひいては私たちにどんな事が必要なのか、成田氏、SimilarWeb Japan マーケティング部 シニアマーケティングマネージャー梅内氏によるトークディスカッションが行われた。

まず、成田氏が携わっている公共事業のプロジェクトについて「医療、教育、なにをみても始まりは 『自治体』という現場だが、自治体レベルでデータを引き上げる仕組みができていないことが問題。標準的なデータを記録するためのフォーマットが決まっていない」とコメント。「簡単な Excel データでも現場レベルで浸透させ 、かつその重要性を現場でも気づき、感じてもらうことが重要」と今後の自治体・国について意見を述べた。

次に、デジタルマーケティングについて話が移ると、梅内は「もっと日 本の企業の中でデータをどう使ってもらうのかに慣れてもらう必要がある。データリテラシーをしっかり持って いる日本人はわずか 1 %しかいない」と話し、成田さんも「データを活用する能力を教育レベルで落とし込むため に、大学・高校のカリキュラムでも取り入れていくべき。新しいデジタルのノウハウの問題が、根本的な問題を 覆い隠してしまっている」と日本社会に対しての見解も飛び出した。

最後に、マーケティング施策のプランニングについては「精緻なデータや KPI を設定するよりも、全体像が見えるかに重きを置くことが大事。今後は、データや KPIがはっきりしてないような、もう少し全体像がファジーでレイヤーの高いブランド理論にどうデータを活用してくかに視点を置いていきたい」と未来を見据えた私見を述べた。