【インタビュー】飯島寛騎、「これまでにないようなホラーが令和になって出来ました。“オカルトの森へようこそ”!」




『貞子vs伽椰子』『不能犯』などホラー界の鬼才・白石晃士が監督・脚本・撮影を務めたオリジナルPOV(ポイント・オブ・ビュー=主観視点)ホラー、劇場版『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』が公開になる。異界と繋がる祟りの森を舞台に、ホラー映画監督の黒石光司(白石晃士)や助監督の市川美保(堀田真由)たちが実録映画の撮影のために同地を訪れ、次々と迫り来る恐怖から時に逃げ惑い、時に立ち向かう本作。撮影隊を先導する金髪ホスト風カリスマ霊能者・ナナシを演じた飯島寛騎に話を聞いた。

 

―人気の白石晃士監督の最新作ですが、出演が決まった時の心境は?

僕が挑戦したことがないジャンルの作品だったので、最初にお話をいただいた時はとてもわくわくしました。去年の夏に本読み、衣装合わせ、撮影が始まり、完成するまでに1年だったので、ようやく公開できる、という感じです。撮影現場もとてもいいムードだったのでよかったです。

―POVという手法は、演じるキャストにとっても大変そうですよね。

大変ではありました。ワンシーンが7~8ページほどあり、影や音などに対してみんなで繊細になりながら撮っていかないといけないんです。数テイク重ねていくのですが、絶対嚙めない、集中力を欠いちゃいけないといった意識を強く持って撮影に臨んでいました。

―実際の廃墟に行かれたそうですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

日中だったのでそれほど怖くはなくて、そういう意味では大丈夫でしたが、空気の循環がよくない場所だったので、部屋の位置によっては空気が重く感じられることはありました。いきなり「ドン!」と来る感じが、それこそ廃墟っぽいなと思いました。

―金髪ホスト風カリスマ霊能者・ナナシという役は、どのように演じたのですか?

白石監督の過去作品にネオというキャラクターがいて、それへのオマージュということもうかがっていましたが、ナナシはホスト風霊能者でもあるので変にオラオラせずナチュラルに、追い払う時は静かに自分で誘導するような感じで、自由に演じました。擬音語も多く、楽しかったです。

―どこか人間離れした印象もありましたよね。

それは意識しました。森の中で若干異物感のある存在でありたかったので、みんなが暖色だとしたらナナシは寒色のようなイメージで演じました。汗はダラダラでしたけれど、表情は変えず、クールに。5人みんな個性が強いキャラクターだったのですが、それでも会話がまとまっているあたりは面白いと思いました。

―オマージュという意味では責任重大なキャラクターでもありますよね。

監督の今までの作品のキャラクターがオマージュされているので、愛ある一面が観られますよね。その愛を白石さんの作品のファンの方も楽しみにしているとうかがっていたので、その愛はしっかりと自分でも大切にして表現しようという思いで現場では撮影していました。

―改めて完成した映画の感想は?

アクションシーンなど、イメージどおりでした。画角についてはどうつながっているのか気になっていましたが、自然につながっていたので「監督すごい!」と思いました(笑)。ナチュラルに、呼吸しているような感じで進んでいくのですごいなと思いました。

―最後になりますが、ファンの方へメッセージをお願いいたします。

作り手目線と言いますか、ホラーの面白さを今回体験したからこそ、その醍醐味が分かったような気がしています。SF・ホラー・アドベンチャーという今までにあまりないようなジャンルで、令和になってこういうホラーのコンテンツが出来たと思うので期待してください。まさに「オカルトの森へようこそ!」といったところです(笑)。

劇場版『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』
8月27日(土)より新宿ピカデリーほか全国劇場【3週限定】公開&デジタル配信同時開始
WOWOWオリジナルドラマ 「オカルトの森へようこそ」は、WOWOWオンデマンド、ひかりTVにて配信中

ヘアメイク:「牧野裕大(vierge)」
スタイリスト:「中西ナオ」

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