お笑い芸人としてだけでなく、俳優やアーティストとして活躍するゆりやんレトリィバァが初監督した映画『禍禍女』が公開に。自身の恋愛体験を元にした本作は、“スキになられたら終わり”という禍禍女をめぐる復讐劇を、唯一無二の感性で描く衝撃ホラーだ。主演の南沙良とゆりやんレトリィバァ監督にインタビュー。本作に込めた思いなどを聞いた。
――ゆりやん監督らしさが全開でありながら、本格ホラー映画としての恐怖もしっかり感じる作品でしたが、完成作をご覧になっていかがでしたか。
ゆりやんレトリィバァ(以下、ゆりやん):準備、撮影、編集、仕上げまで駆け抜けてきたみたいな感じで、毎日映像を観ていたので完成したものを完成したものとして観られていないかもしれないです(苦笑)。スクリーンでみんなで観た時に「完成した!」という感動はあったのですが、その時は作品として純粋にまだ観られなかったです。
でも去年の2月に完成したのですが、秋に映画祭で上映した時に観て、その時久しぶりだったので初めて客観的に観られまして、面白かったです。映画祭で海外の方がリアクションしている姿を見て、これでよかったんだと。みんなに伝わっていることを実感してとてもうれしかったです。
南沙良(以下、南):わたしも今まで自分が出た作品を客観的に観られたことは一度もないんです。やっぱり観ている中で反省点も出てくるので、真っ直ぐには観られないのですが、それでも目が離せなかったです。お芝居をしている最中はものすごくエネルギーを使うものですが、観ている時もエネルギーを感じたし、使ったなという印象はあります。
ゆりやん:この『禍禍女』を説明する時に、自分の恋愛体験をベースにしていると言っているんですが、映画を観た時に、わたし恋愛していなかったなと思いました。片思いだけだったと思ったんです。つまりこれは、好きの表現方法を知らない人の話なんです。
――南さん演じる上原早苗は感情表現が豊かなキャラクターでしたが、ゆりやん監督との仕事はいかがでしたか?
南:本当に的確に細かく説明してくださるので、とてもわかりやすくて演じやすかったです。あと撮影するシーンの前にどういうシーンにするか都度方向性などをお話しさせていただいて進めていたのですが、わたしがやったことがない役だったので、その方法もとても助かりました。
ゆりやん:南さんの前で一度実際にかんしゃくを起こしてみるとかやっていました(笑)。そうして自分でやってみせると、説明はしやすいと思いました。自分のことなのでお伝えしやすいことは確かなのですが、早苗に自分自身を投影していると言っても、わたしは早苗そのものではないので、そのやり方はよかったなと思っています。
――本作は、単にホラー映画なだけでなく、いろいろな表情を持っている作品ですが、みなさんにはこの作品をどうやって勧めますか?
ゆりやん:恋愛成就ムービー(笑)。あとはわたし、おこがましいのですが、ジョーダン・ピールやアリ・アスター、ヨルゴス・ランティモスが大好きなんです。内容は難しいけれど、この監督の映画なら観に行きたいみたいになるんですよ。そういう監督、それぞれみなさんの中にいらっしゃると思いますが、『禍禍女』も観た後に心がずっと体験しているような映画であってほしいと思う。体験し続けているというか、「あれなんやったんや!?」みたいな。「どういうことやってん!?」みたいな、終わってからもずっと心の中で残っている感じの映画ですって、みんなに言いたいですね。そうなってほしいという願いを込めて。いい意味で引きずってほしいです。引きずりムービーです(笑)。
南:個人的には小学生の頃の気持ちを思い出すなと思いました。それこそわたしが好きなサメ映画に似ているというか、サメ映画の好きなところは、小学生の頃に高熱が出た時に見る夢みたいな感じなのですが、私の中では『禍禍女』も、そういうイメージなんです。
ゆりやん:わたしも小学生の頃に観た『学校の怪談』が本当に怖くて、まだ当時の恐怖が自分の中に残っているんですよ。まさに『禍禍女』もそういう映画になってほしかったので、南さんに今小学生の頃を思い出すと言ってもらって本当にうれしいです!
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