埼玉県入間市が全面協力した映画『ラストサマーウォーズ』が、7月1日(金)より新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開となる。
本作は、狭山茶の主産地として有名な埼玉県入間市を舞台に、小学6年生の映画好きな男の子が、想いを寄せる女の子の引越しが決まったことをきっかけに、彼女をヒロインにした自主映画作りをスタートさせようと奮闘する青春ジュブナイル映画だ。
子どもたちを見守る小学校の若手担任教師役を演じる井上小百合に、本作にまつわるさまざまな話を聞いた。
―子どもたちの真っ直ぐな想いが伝わる物語となっていましたが、台本の感想はいかがでしたか?
とても楽しく読ませていただきました。子どもたちを取り巻く大人たちが、彼らのまっすぐな姿勢を見て、一緒に成長していく過程がとても素敵だなと思いました。子どもたちが主人公のかわいくて面白い作品ということだけでなく、大人にも刺さる深い作品だなと思いました。
―ロケ地がご出身の埼玉でしたね。
地元の埼玉で撮影ができることが一番楽しみでした。監督もキャストも埼玉出身の方が多くて、同じ地域で育った方たちが東京で再会して、地元に戻って撮影できることがとても感慨深くて、温かい気持ちになれました。また、埼玉の魅力を全国に知っていただくいい機会になるのかなと思って、とてもうれしかったです。
―新米教師役ということで、演じてみていかがでしたか?
ミスが多かったり、ちょっと抜けているキャラクターだったので、教師というよりは、子どもたちにとって仲間のような人物だと思います。学校で一番近くにいて親身になってくれる存在が担任の先生だと思うので、そうありたいとコミュニケーションを大切にしていました。
―子どもたちとの共演はいかがでしたか?
最初は子どもたちも緊張していたのでどのように距離を縮めていこうかと戸惑っていたのですが、監督が子どもたちと話す場を作ってくださったりして、少しずつ打ち解けていくことができました。監督が塾講師だった経験があって、実体験に基づいたアドバイスをくださったので、そのおかげで子どもたちと仲良くすることができたと思います。
―本当にキラキラしていましたよね。
とってもかわいかったです(笑)。ロケバスにも遠足のように楽しそうに乗ってきて、そのまま現場に向かうんですよね。お昼ご飯を何よりも楽しみにしていたようで、本当にかわいくて(笑)。これほど純粋無垢に撮影を楽しんでいる姿を見て、わたしも元気をもらっていました。
―ちなみに印象的なセリフが多かったと思いますが、ご自身の最近の「やるっきゃない!」は何でしょうか?
仕事面だけでなく、プライベートでも自分を高めて行きたいなと思っていて、楽器の音楽教室に通い始めました。あとは三食きちんとした食事を摂る、朝陽の光をちゃんと浴びる、一日の最後にうれしかったこと、感謝したことをノートに書くなどをしていると、心が整っていくんです。いろいろなことに「やるっきゃない!」って感じです(笑)。
―先ほど大人にも刺さる深い作品と言われていましたが、最後に具体的に聞いてもいいでしょうか?
わたしが演じた土方先生は、もともとは映画監督になりたかったというバックボーンがありますが、今は紆余曲折あり、教師の仕事をしています。夢半ば、あきらめてしまったという過去がありながらも、真っ直ぐに夢と向き合う子どもたちの姿を見るうちに、いろいろと自分を見つめ直していくんです。
大人になると現実的になり、あきらめてしまうこともたくさんあるとは思うけれど、この映画を観た方は子どもたちの姿を見て、もう一度、自分の人生を振り返れるのではないかなと思いました。お子様がいる親御さんが観ても、子どもたちへの接し方がわかるような学びの多い作品にもなっていると思いましたので、ぜひ映画館で観ていただければと思います。
7月1日(金)より新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開