先日5月1日(月)にオープンした『東京八重洲献血ルーム』の開所式が行われた。
2020年からの新型コロナウイルス拡大の影響を受け、コロナ以前に献血で多くの協力があった企業や学校は、リモートワークやオンライン授業が普及。
その結果、献血をする人が激減するという事態に。
特に高校や大学の献血会場が少なくなったことで、少子化を背景として減少傾向だった若年献血者の減少に拍車がかかったという。
しかし、このような厳しい状況下でも温かい協力のおかげで輸血用血液製剤を患者の方へ滞りなく届けることができたのだそう。
『東京八重洲献血ルーム』は、血液血漿採血専用ルームとして開所。
今回の献血ルームの開所にあたり、「日本赤十字社は国民の命と健康守るために、そして安全な血液製剤を必要とする医療機関に滞りなく届けることを使命としています。」と日本赤十字社 社長の清家篤氏が語った。
血漿分画製剤は難病などの治療に活用されており、原料となる血漿を確保できる専門のスペースだ。
血漿分画製剤は、人の血漿を用いなければ製造できないもので、近年、血漿分画製剤の需要は高まってきていることから、血漿分画製剤の社会的認知度の向上を図る目的で『東京八重洲献血ルーム』は作られた。
国内では、名古屋・大阪に続く血漿成分献血に特化した3番目の献血ルームとなり、来場した方々が理解を高められるようパネル展示も設置されている。
交通の便が良い東京駅に隣接し、「時間と空間を自由に使える場を提供する」というコンセプトをもとに、献血者が満足できる利便性や快適性が備えられているのが特徴。
献血者のスケジュールに合わせた完全予約制で、従来よりも採血ベッドの間隔を広く取り、Wi-Fiやタブレットを設置することで献血中もくつろぎながら過ごすことができます。
東京駅が一望できる窓際にはコワーキングスペースを設置し、仕事の合間に快適に献血することができるよう配慮され、献血者の視点に立った新たな献血ルームのあり方を目指しているという。
令和5年度より日本赤十字社は「赤十字は、動いている!SAVE365.」というスローガンを掲げ活動。
この新たな献血ルームは、その先駆けともいえる位置づけであると考えているのだそうです。
イベントには、東京都知事の小池百合子氏も登壇。
都内においては、昨年度延べ560,000人を超える方から献血の協力があったのだそう。
輸血を必要とする患者の方へ滞りなく届けられた一方で、10代や20代の献血者数は10年前と比較すると30%以上減少しているのが現状。
献血には年齢制限があるので、特に若い世代の積極的な協力が必要となる。
ちなみに、献血をしながらスマホやタブレットが使用ができ、待合室ではリモートワークも可能。
この献血ルームを通じて多くの方に献血の意義、献血の役割を知っていただくことも期待したい。