11月18日(月)に、東京の顔ともいえる場所・銀座の一角にある”Ginza Sony Park”で、ゲリラライブが開催された。
1966年から続いたソニービルが、銀座に魅力ある空間を作り出すことを目的として、2018年8月に生まれ変わるようにして誕生したのが“Ginza Sony Park”。
現在は公園のように銀座の憩いの場となっているが、2022年には街や人にリズムをもたらす新しい概念の”新ソニービル”を竣工する予定だ。
そんな”Ginza Sony Park”では、毎週金曜20:00〜と不定期でライブハウスともクラブとも一味違う、音楽と触れ合う新たな場として『Park Live』を開催している。
今回のゲリラライブは、『Park Live』の特別版となる開園以来初めての屋外ライブである。
この日ゲリラライブを行ったのは、映画、演劇、ダンス、CM楽曲など多数の音楽制作を手掛ける蓮沼執太率いる『蓮沼執太フィル』で、以前から”Ginza Sony Park”と様々なコラボをしていた蓮沼からの提案で実現したという。
午後16時、多くの人が行き交う”Ginza Sony Park”に現れた『蓮沼執太フィル』のメンバー。街ゆく人々は、何かが始まる香りを嗅ぎつけたかのように少しずつ集まっていた。
一切の告知もなく、ある意味実験的な意味を込めて開かれたというこのゲリラライブ。
蓮沼は、「じゃぁ、いきます。」と一言だけ挨拶を述べ、静かにキーボードの音を鳴らす。それに合わせてサックス、ユーフォニアム、ベースやギターにドラムなど、いくつもの楽器の音が重なり、銀座に鳴り響く心地よいメロディー。
普段と変わらい街並みの中で、突然聞こえてきた音楽に吸い寄せられてドンドンと増えていく人々。肌寒い季節を、蓮沼らが奏でる旋律が優しくて温かい空間へと変える。
気付けば日が沈みだす時間、設置されていた裸電球たちがさらにムードを高めてくれる。改めて辺りを見渡すと、さまざまな国の人が、同じ音楽に触れていた。
なんとも言えぬ幸福感に、写真を撮ることをやめ、一人のリスナーとして聴くことに集中。
月並みになってしまうが、時間を忘れてしまう――。
最後の曲を演奏し終えた蓮沼が、「どうも有難うございます、『蓮沼執太フィル』でした。良い夜を!」と伝えると、会場から大きな拍手が贈られた。
知らなかったモノ・ヒト、そういった出会いがあるから、街に出ることに人はワクワクするのではないだろうか。