AAAのメンバーとして、そしてソロアーティストとしても精力的に活躍中の與真司郎が、最新著書のノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』を刊行した。本書では與自ら人生を振り返り、カミングアウトするまでの人生と、カミングアウトした後のそれを赤裸々に明かしている。その刊行を記念して、與本人にインタビューした。
——いよいよノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』が発売を迎えますが、今のお気持ちはいかがですか。
いろいろなことを話しているので、どう思われるかちょっとドキドキしています。アーティストやアイドルの方で、ここまで語る人って少ないんじゃないかなっていうくらい、たくさん話しました(苦笑)。
ただ、これを読んで、「頑張ろう」「こんな人生もあるんだ」って思ってもらえたらうれしいですね。そう思ってくれる人が増えたらいいな、ってワクワクもしながら、ちょっと緊張もしています。

——過去の恋愛についても触れていますよね。完成したものは、当初のイメージと比べていかがですか。
ほぼイメージ通りというか、「こんな感じかな」と思っていた方向にはなったと思います。ただ、どこまで話すかはとても悩んだのですが、けっこう思い切って話したほうだと思います。
とにかく、今までの人生の軌跡ですね。それをつめこみました。その中には、僕がとても気を使っているメンタルヘルスの話も入れています。読んでくれた人が「こういう考えもあるんだな」って思ってくれたらいいなと思って、何かを考えるヒントになってもらえたら良いなというなるような要素も入れてます。
なので、カミングアウトの前後だけじゃなくて、小さい頃からのいろんな思いを語ったエッセイになっています。恋愛のことも書いちゃいましたし、「これ以上隠すことないんじゃないかな」って思うくらいです。
——写真も16ページにわたって、撮り下ろしがありますね。
今回はカッコつけた写真はちょっと嫌だなという話を最初にしていたので、人間らしい一冊になっていると思います。文章的にもですし、写真の雰囲気もナチュラルなものが多いです。
写真はシンプルですが、それも意図的に自分らしさを大切にしました。この本に関しては、全体的に“着飾らない”ということを大事にしたんです。
撮影場所については、まあ、特に深い意味はないです(笑)。
——“着飾らない”はこれまでを踏まえてもめずらしいのではないですか。
あえて“ここにいるだけ感”というか、生活の一部を感じてもらえるような、そんなナチュラルな雰囲気を出しています。そういう写真って、これまではあまり撮ってこなかったですかね。「テーマは?」と聞かれたら、「普段の自分に近い」ということになると思います。
写真集というと、やっぱり「かっこいい」は外せないものだと思われがちで、スーツをビシッと着て、髪の毛もカチッと決めて、みたいなものが多かったのですが、今回は全体的に本当にナチュラルで、楽な感じ。見てくれる人たちにも、カッコつけずにリラックスしてもらいたいし、読んでくれる方にも、さらっと読んでほしいなって思っています。

——最後になりますが、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
僕みたいな人生、自分で言うのもおかしいけれど、最近思うのは、いろいろな人と出会って、自分の人生って変わってるなって思うんです。生き方や考え方、アメリカ人的でも日本人的でもおそらくないし、いろいろな自分がいる。なので読んでもらって、この人面白いなって思ってくれたらいいなって思う。LGBTQ+の方じゃなくても、トラウマがあったり、悩みがあったり、誰にも言い出せないことがあるという人に読んでもらって、「こんな人生があるのか、じゃわたしも僕も頑張れるじゃん、ひとりじゃないんだ」って思ってくれれば、書いた意義があると思っています。
■タイトル:『與真司郎フォトエッセイ 人生そんなもん』
■発行:講談社
■発売日:2025年4月16日(水)
■定価:1980円(税込)
■仕様:四六判/160ページ
■ISBN13:978-4-06-538728-3
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