女優・佐津川愛美(31)は、2004年にデビューして以来、数多くの作品でその存在感を放ち続けている。
今回、舞台『この声をきみに~もう一つの物語~』でヒロイン役を演じる彼女に、YESNEWS編集部はインタビューを実施。
本作は竹野内豊主演で話題を呼んだドラマの舞台版。
人生の転換点にひょんな理由から朗読教室に通い出した主人公(尾上右近)が、教室の仲間や朗読そのものの言葉の魅力に出会っていくというストーリーだ。
―よろしくお願いします。今回の舞台で、ヒロインに抜擢されたときのお気持ちをお聞かせください。
よろしくお願いします。
プロデューサーさんがすごい熱心にお声がけして下さって、「佐津川さんとやりたいです!」と。
メールも沢山いただき、熱意あるオファーってすごく嬉しくて。それで私は、このプロデューサーさんと一緒にやりたいと思いました。
―熱意に共鳴したような感じでしょうか?
はい。自分を必要としていただけるということは有難いことだなと思って、あとはご縁を大切にしていきたいので。
以前、岸本鮎佳さん(本作の演出を手掛ける)が脚本・演出を務める演劇ユニット『艶∞ポリス』の舞台を観に行ったときに、初めて岸本さんにお会いしたんです。
色々お話させていただく中で、「いつか一緒にやりたいです」ということも言ってくださっていて、社交辞令みたいに言うこともいっぱいあるじゃないですか?
でも、‟いつか絶対この人と一緒にやるな“という時って直感でわかるんです。
―直感的にですか?
そうですね、自分がそのご縁を大事にしたいなと思えるかどうかというのもありますが・・・
出来ることならやりたい、というところに繋がりました。
タイミングが合わなかったら出来ないので、良いご縁が繋がっていくのは奇跡的なことで。
ということは、これがタイミングなのだな、と。
―舞台の設定に絡めたことで、朗読で“声で心を解放する”というテーマですが、佐津川さんの心を解放する言葉はあったりしますか?
解放する言葉!?なんだろう…。
―大切にしていることでも良いですし、好きな言葉、救われた言葉などでも。
言葉かぁ、、、割と声に出して言うことは意識してますね。好きだよ、大切だよ、って気持ちは惜しげもなく言うタイプかな。
―ちゃんとストレートに伝えるのですね。
30歳を過ぎてから思ったときに思ったことを言うようになりました!
―昔は言えないこともあったと?
自分に自信がなかったですし、私がこんなことを言っても…と思っていたので…(笑)。
―それが切り替わったのが、30歳を越えてから?
28歳くらいから、もうすぐ30だ!ってポジティブになってきて、30歳の誕生日にそれが解放されました。
―誕生日を迎えて、すぐに解放されたんですか?
あははは(笑)
はい、そうなんです。本当なんですよ、これは!(笑)。
そこから一年経って、楽しいというか…30歳になりたて辺りは逆にパワーが上がりすぎて、生き急いでいるみたいになっちゃっていたようで、友達にちょっとどう接していいか分からなかった、みたいなことを言われました(笑)
―そんなにエネルギッシュだったんですか(笑)
あまりの元気さに幼馴染に言われたのが、「すごいよね、愛ちゃんのアップデート具合」って(笑)
でも、疲れちゃったかな、それを一年やったら。
―ずっとはエネルギー続かないですよね。
10代、20代で溜め込んでいた分がだいぶ出てきたんだと思います。
今は調整というか、余裕を持って見れる部分も出てきました。
―仕事の上でも、30歳を迎えたことで変化はありましたか?
仕事では逆に悩みが増えたり、向き合わなければいけないものが出てきたというか。
自分とは違う境遇の役でも、役者は想像して演じていくじゃないですか。それで出来ていたものが、あまりにも自分にリンクし過ぎている役がきたりと・・・。
いただいたお話が家族をテーマにした作品で、ちょうどその頃に自分も家族に向き合わなければいけないことがあったんです。
プライベートが仕事に影響するということがあまりない方だったんですけど、リンクしましたね。
でも、私がそこを解決しなければこの先進めないんだな、という課題をもらった気もして。いい経験になったのを覚えてます。
―演じる上で、佐津川さんが大切にされていることはありますか?
大切にしていることは、「嘘をつかない」ですね。
演じている時点で嘘にならなければいけないところもありますが、その中でのリアルみたいなものは大事にするようにしています。
自分で納得したうえで本番を迎えるように意識して、自分が疑問をもったまま演じることはないようにしています。
―インスタグラムにも観た作品をアップされておりますが、リフレッシュ方法は作品を観ることですか?
はい、家ではなく全部映画館で観てて、というか他に趣味がないというか(笑)
あとは旅行が好きです!
一年に一回一人で海外に行くというのを30歳から始めまして、国内一人旅はよくするんですよ、温泉に行くとか。
―ちなみに、30歳の時はどちらへ?
それは内緒!!(笑)
―ありがとうございます。昨年放送されておりましたドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』にヒロイン役でご出演されていたましたが、何か裏話のようなエピソードはありますか?
そうですね・・・(吉田)鋼太郎さんが見た目は厳ついじゃないですか?
―少し(笑)
私も最初はお堅いというと変ですが、もちろん大先輩ですし、怖いというより威厳のある方という印象だったのですが、ご一緒してみたらとてもチャーミングな方なんです。
奥様が旅行に行かれていた時期があって「今、家にいなんだよ~。寂しいんだよ~」みたいなことをおっしゃっていて(笑)
「だから毎日飲みに行っちゃうかもな~」とか、その夜をどう過ごすかみたいなことを一生懸命考えてて、「でも稽古中だから、稽古終わったあと皆でご飯行って、割と酔っぱらって帰ればそのまますぐ寝れるから寂しくないかな」っておっしゃっていて。
素直に寂しいとか言える人って素敵だなと(笑)。
―最後に、最近あったハッピーなことがありましたら教えていただけますか?
ドラマの打ち上げで、その現場はスタッフさんもキャストも仲が良くて、皆でカラオケをしていたんですね。
私はだいぶ酔っぱらっていたので、その輪に入らずに少し離れて微笑ましく見ていたときに、なんか皆で幸せそうでいいなぁって心から思いました(笑)。
自分が楽しいのも勿論いいですが、そういう自分の好きな人、大切な人たちの楽しそうな姿を見れるっていうことがこんなに幸せなことなんだなって、それも30歳を過ぎてから気付きました。
そう気づけたことが、ハッピーなことですかね?(笑)
―締めに相応しいお話しでした、ありがとうございます!
良かった(笑)
ありがとうございました!
未曾有のウイルスは世界中に、そして多方面に混乱を与えている。
彼女が出演する舞台『この声をきみに~もう一つの物語~』もまた全公演の中止を余儀なくされた。
しかし、舞台に携わるすべての人の賢明な働きかけにより、DVDとして発売されることが決定。舞台という生きた演技が観れないことは、何とも悔しい限りである。
ぜひ、チェックしてみよう。
■舞台の詳細については、公式サイトを確認下さい。