東京都では「チルドレンファースト」の社会の実現に向けて、子供を大切にする気運を一層高めるために、企業・NPO・学校・区市町村など幅広い主体と連携しながら、官民が一体となって「こどもスマイルムーブメント」を推進している。
その取り組みの一環として、子供の笑顔を育む先進的な活動を行う企業・団体を表彰するため、『こどもスマイルムーブメント大賞』を令和5年度に創設。今回で3回目である。
まずは、子供向け社会体験アプリの取り組みで令和5年度の優秀賞を受賞したキッズスター代表取締役平田全広氏と、防災スポーツの取り組みで令和6年度優秀賞を受賞したシンク代表取締役社長篠田大輔氏が登壇した。
キッズスターの平田氏は「いろんなメディアに取り上げていただいた。ダウンロード数も2年前の600万から今は800万に伸びました。参画企業も70社から100社に。受賞をきっかけに事業を大きくさせていただいた」と受賞後の変化を語った。
受賞後の周囲の反響について、篠田氏は「防災の子供向けサービスという点で評価いただけたため、学校の授業で多く導入していただいた。今年の万博の会場でも防災スポーツのミニ体験をコーナーを出展させていただき、のべ5000人くらいに立ち寄っていただき体験していただいた」と話した。
続いてアンバサダーの伊集院光と谷真海氏が登場し、子供との暮らしについてのトークセッションを行った。「こどもスマイルムーブメントはどんな役割を果たしていると思いますか?」と聞かれると、谷氏は「子育てが格段にしやすくなったと感じる。上の子が10歳で下の子が3歳で7歳差があるんですけど、7年前の育児に比べて今は負担感が違う。自分の心の余裕が少々あるかもしれないけど、社会全体として子供への笑顔が増えていると感じる。外出もしやすくなりましたし、仕事との両立もしやすくなったなと思います。冷たい目線を感じなくなった、子供が泣いている時にうるさいなという視線を感じなくなりました」と実際の子育てについての感想を述べた。
それについて伊集院氏も「たとえば電車のなかで子供が泣いている時に、アンバサダーとしてこれに関わったきっかけもあるし、世の中にそういう方向にあるのもそうだと思いますが、泣いている子供を笑わせてみようかなと思うようになった。世の中全体がちょっとそう思ってて、子供に対してうるさいよという顔をすることがとてもカッコ悪いことという認識が10年前に比べると相当進んできたと思います」と賛同した。
その後の表彰式では、最初に子供部門最優秀賞に三井住友フィナンシャルグループが受賞。
社会的価値創造推進部長高市邦仁氏は「大変素晴らしい賞をいただき本当にありがとうございます。受賞理由として銀行業を超えた先進性。それから多くの体験機会の創出という2点を挙げていただきまして、改めて身が引き締まる思いをしております。ご紹介いただきましたアトリエ・バンライ板橋は本年4月に開設をいたしました。子供たちの体験格差の解消に向けて、多様な体験と放課後の居場所の提供に取り組んでおります。いろんなみなさんにお力添えいただきながら運営をしており、開設して8ヶ月経ちましたけど、利用登録児童数が300名超、プログラムの提供が62回、来場者数がのべ3000名超ということで着実に輪が広がっていると感じております。これからの子供たちが安心して、自分らしく成長できる場づくり、地域社会作りに一層貢献していきたい」と挨拶した。
子育て応援部門最優秀賞にスパイスファクトリーが選ばれた。取締役CSO流郷綾乃氏は「プレママ、プレパパ制度は福利厚生の制度ではないかと思われてると思うんですけど、私たちはこの制度を通して風土の醸成っていうのを企業で行っていきたいというのと、それを通して社会できちんとこういった制度をつくることをもう少し広げていくというのを同時にしていきたい。10代20代の自殺率の高い我が国がなぜこういった状況になっているのかと思っているんですけど、キャリア教育などで子供たちと接する時に、働くということに対してちょっと暗いイメージを持っている。こういった私たちの活動を通して、親世代に対する支援だけでなく将来世代への支援としても受け取っていただきたいと思います」とコメントした。
子供部門の優秀賞にはbiima、イコールチャンス、一般社団法人日本金融教育支援機構が受賞し、子育て応援応援部門の優秀賞には株式会社おりおりが受賞した。
最後に小池百合子知事の「こどもスマイルムーブメントは4年前にはじまりました。現在は2200の企業・団体の方々がご参加いただいてる。そしてグッドニュースは都内の出生数がのびたということであります。プラス0.3。10年ぶりのことなんですね。こうやってみなさんがいろんな取り組み、アイディアをだして工夫をして、うちだったらこんなことができるんじゃないか、もっと社会でこうすればいいんじゃないかという知恵がこのプラス0.3へ。これからもみなさん、力を合わせて知恵を絞って工夫をしながら楽しくチルドレンファーストの社会をつくりあげてまいりましょう本日は誠におめでとうございます。そしてありがとうございます」という祝辞で閉会した。







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