【レビュー】世界的女優・マリオン・コティヤールが出演を熱望。女性監督ヴァネッサ・フィロの長編デビュー作

【レビュー】世界的女優・マリオン・コティヤールが出演を熱望。女性監督ヴァネッサ・フィロの長編デビュー作




マリオン・コティヤールといえば、2007年に公開された『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』でフランス人女優として49年ぶりのアカデミー賞主演女優賞を受賞。

以降も『NINE』、『サンドラの週末』、『ミッドナイト・イン・パリ』、『君と歩く世界』、『マリアンヌ』、『たかが世界の終わり』……と枚挙にいとまがないほどの名作に出演し、どの作品でも輝かしい存在感を示している世界的な女優だ。

そのコティヤールが、脚本を読み出演を熱望したのが、女性映画監督ヴァネッサ・フィロの初長編作で8月10日(土)より公開された『マイ・エンジェル』である。

南仏、コートダジュールの浜辺に近いアパートで暮らすシングルマザーのマルレーヌ(マリオン・コティヤール)と、8歳の娘エリー(エイリーヌ・アクソイ=エテックス)。マルレーヌは、定職に就かず、感情のおもむくままに奔放に生きている。

ある日、新たな男性との出会いをきっかけに、エリーを自宅に残したままどこかに消えてしまう。その時からエリーの、親不在の環境で生きていく日々が始まる──。

コティヤール演じるマルレーヌは、人間臭くむき出しで、そして儚く激しく、美しい。自虐的で破壊的で、自らが無償の愛を注ぐべき存在である娘を「エンジェル・フェイス」という愛称で呼ぶ等、間違いなく強い愛情を抱いているにも拘らず、どう愛したら良いかわからず常に混乱している。

一方、アクソイ=エテックス演じるエリーは、絶望的な状況の中、強い本能と意志で、迷いなく自らの未来を選びとろうと進んでいく。

様々な経験を経た大人だからこその迷走と、無垢な子供だからこその直進。その対比に、母娘ゆえの類似点も入り込んでいく。

この世で唯一無二の家族だからこその愛の交錯が鮮烈に描かれている。

公式サイト : http://my-angel-movie.com/

 


映画『マイ・エンジェル』

■出演    : マリオン・コティヤール、エイリーヌ・アクソイ=エテックス、アルバン・ルノワール
■監督/脚本 : ヴァネッサ・フィロ/
■撮影    : ギョーム・シフマン『アーティスト』
■配給:ブロードメディア・スタジオ
2018 年/フランス/英題:angel face /シネマスコープ/108 分/PG12


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