【来日インタビュー】韓国映画『THE WITCH/魔女 ―増殖―』主演シン・シア、「体中に血のりを塗った時に『わたしは“少女”になったのだ』と思いました」




謎が謎を呼ぶストーリーがSNSで話題となったサイキック・アクション映画『THE WITCH/魔女』の最新作、『THE WITCH/魔女 —増殖—』が全国公開となる。
可憐ではかなげな少女がいかなる変容を遂げ、最強の〈魔女〉として覚醒をしていく過程を、激烈な銃撃戦、肉弾戦など、凄まじい攻防戦とともに描く本作は、サプライズの連続で観る者を魅了する衝撃作だ。数奇な宿命を背負った主人公の少女役は、1408人が参加したオーディションによって発掘された新星シン・シア。来日した本人に話を聞いた。

―とても引き込まれるストーリー・世界観でしたが、最初に脚本を読まれた感想はいかがでしたか?

わたしも一瞬にしてこの世界にハマッてしまい、一気に読み終わってしまいました。それくらい少女がとても神秘的な存在で、どういう少女か気になりながら読み終えました。

今回は前作以上に世界観が広がっていて、多彩でさまざまな人物の物語が盛り込まれているので、その関係性だったり、大きくなった世界観も含めて魅力のひとつだと思います。あとはアクションの比重も大きくなっていますので、その点も楽しめると思います。

―本作はアクションやバトルがとてもフィーチャーされ、そこも魅力的だったと思うのですが、アクションやトレーニングで大変だったことや楽しかったこと、印象に残っていることがあれば教えてください。

アクションの準備をする過程は、大変でもあり楽しくもありました。わたしはアクションも初めてでしたし、しかも一人でのアクションではなく、大勢の人たちが集まって段取りを決め、合わせていきながらのアクションは慣れていなかったので、難しい点もたくさんありました。

また、なかなか人って普段、体中血まみれになることはないと思うので、体中に血のりを塗った時に「わたしは少女になったのだ」と思いました。

―演じられた少女は感情表現が乏しいキャラクターだったかと思いますが、共演者と撮影現場ではどのように過ごされましたか?

現場の雰囲気はとてもよかったです。劇中ではもちろんわたしは無表情で出ていたのですが、もともと表情は豊かなほうなので本番に入る前は明るく活気に満ちた雰囲気でやっていたのですが、いざ本番になってカメラが回ると、劇中のような表情になりました。

撮影現場で一番お話をしたのがギョンヒ役のパク・ウンビンさんだったので、たくさんお話をしました。わたしにとっては今回の映画が初めてだったので、パク・ウンビンさんが本当に助けてくれました。実はこれは劇中にも言えることで、わたしが演じた少女が初めて外の世界に出て、それをギョンヒが助けてくれるのですが、その関係性に似ていたので、より役に入り込むことが出来ました。

―また、本作で長編映画デビューとのことですが、そもそもなぜ今回の映画のオーディションを受け、芸能の世界に入ろうと思ったのでしょうか?

高校一年の時にミュージカルにハマり、一週間に3~4回ミュージカルを観るほど大好きだったんです。なので好きなことですから、それに関連した仕事をしたいと自然に思うようになり、高校三年生の時に俳優を目指そうと決意しました。

それにこの『THE WITCH/魔女 ―増殖―』は、新人の女性が主人公になる(企画の)映画ですよね。韓国には新人の女性が主人公になる映画がなかなかないので、わたしくらいの年代の女性にとっては非常に貴重な機会でもありました。しかも前作を観ていてとても面白かったので、その続編ということでオーディションを受けない理由はありませんでした。

―今回の作品を経て、お芝居の楽しさ、難しさみたいなものを感じられたかと思うのですが、いかがでしょうか?

もちろんその両方を感じました。難しかったけれども、とても楽しかったことが、とても不思議な感じでした。普通、難しいと感じると辛いと思うはずですが、今回難しくて大変ではあったのですが、やればやるほど楽しいと感じました。わたしが考えている少女の姿を、体を使って言葉を使って、顔の表情を使って表現をして、その姿をまた自分で見ることが楽しかったです。

―こうして来日までしている今の自分を見て思うことはありますか?

こうしてこの作品で宣伝のために日本に来ることになるとは、当初は考えてもいなかったことです。こんな風に来日をして、日本のみなさんにお会いして、映画のお話をするということで、最初は少しドキマギしたところがあったのですが、本当にうれしいことだなと思います。

―この先はどのような俳優になりたいですか?

そのことは毎日のように考えていて、毎日のように気持ちも変わるのですが、ただ、一番忘れてはいけないと思っていることは、初心を忘れずに最善を尽くして演技をするということかなと思います。また、今回はセリフも少なく表情もなかったので、次はたくさんしゃべる役を演じたいですかね。表情のあるキャラクターを演じてみたいです(笑)。

撮影:Kayoko Yamamoto

5/26(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
配給:ツイン
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