サステナブルで美しく 資生堂の新技術「LiquiForm®」がすごい!従来のつけかえ容器に比べ約7 0%のCO 2排出量を削減




資生堂の最新研究・技術開発の結果を発表する「資生堂イノベーションカンファレンス 2022 ~知と体験の融合~」が、2022年10月20日(木)に開催。「知と体験の融合」をコンセプトに、今後私たちが使用するコスメに反映されていくであろう、最新の技術を発表した。

中でも注目なのが、化粧品容器に使われるプラスチック量を約70%削減出来るという、
「LiquiForm®」(リキフォーム)だ。

化粧水などスキンケアを使用している人なら経験があると思うが、通常1ヶ月程度で使い切ってしまう化粧品の容器を毎回捨てる度に「なんだかもったいない」という気持ちになる。最近では詰め替え用のアイテムが増えているものの、衛生的に不安な人や、「美しくない容器はテンションが上がらない」という人も多いだろう。

今回、資生堂は「ボトル製造」と「中味液充填」をワンステップで実現する技術「LiquiForm®」を世界で初めて化粧品に採用。環境負荷軽減に貢献する化粧品のつけかえ容器を開発した。

これがどういう技術なのかというと、

従来のつけかえ容器のように既に成型された空ボトルに中味を充填するのではなく、容器のもととなるプラスチック部材を加温して柔らかくし、そこに圧力をかけて中味を充填することで、中味充填とボトルの成型を同時に行う。

▲化粧水などの中身を充填しながら、ボトルの成形をおこなっているデモ。

▲右のつけかえ容器を本体容器に付け替えて、完成する。

これにより従来容器工場から充填工場へ輸送していた空ボトルの輸送が不要になり、輸送時のCO2排出量が削減。容器も薄くなり、外の本体容器を繰り返し使えることから、プラスティック使用量も大幅に減らすことが出来る。

容器全体のデザインの幅も広がり、私たちが化粧品に求める世界観や高級感など心理的な満足感につながるプレミアムな容器を実現することが可能に。環境問題に配慮しながら、美容のモチベーションも下がらないという、まさに理想的な新技術となっているのだ。

「LiquiForm®」を使用した実際の商品展開時期はまだ未定とのことだが、店頭に並ぶ日を楽しみに待ちたい。

「資生堂イノベーションカンファレンス 2022 ~知と体験の融合~」では、この他にも様々なジャンルの研究結果が発表された。

皮膚の抗重力システム 「ダイナミックベルト(TM)」 を発見し、見た目の老化の原因となる「たるみ」の原因を解明。今後、スキンケアやストレッチに応用していくとのこと。

また、皮膚内のマクロファージのM1/M2バランスが崩れることにより、慢性炎症が老化を促進する「インフラマエイジング」が皮膚で引き起こされることを発見。さらに、2022年には、M1/M2バランスの崩れが、コラーゲンの産生・分解・除去 など、一連のコラーゲン代謝へも悪影響を及ぼし、 肌のハリや弾力の低下などを引き起こす可能性があることも明らかにし、今後の商品開発に役立てていくとのこと。

私たちが普段使っているコスメたちの裏側には、研究者たちの知と努力が詰め込まれているのだと感じることが出来た今回のカンファレンス。資生堂のイノベーションが今後どう生活に役立っていくのか期待が高まる。